日本は稼げない、となれば外国人労働者が減っていき、私たちの生活にこんな影響も。
「作り手が減ればモノの生産量が減るわけですから、賃金の高さをアピールしての労働者の取り合いになって、物価高がさらに進む可能性がありますね。政府も深刻に考えて対策をとらないと、今後大変なことになります。
考えられる対策は、賃金を上げること。ただ、これはやはり物価高の原因となります。もう1つは、あらゆる産業でIT化を進め、人手不足に備えること」
今日からできるインバウンド対策
円安による生活への悪影響を極力抑えつつ、インバウンドの経済効果をうまく取り込む方法はあるのだろうか。
「インバウンド効果が実際に表れ始めるのはしばらく先のこと。一方で、物価上昇はすでに始まり、その流れは止められません。
私たちはまずは節約しつつ、生活をスリムにコンパクトにしていくことが必要でしょう。可能なら主婦や年金生活者も、働いて収入を増やすことを考えて」
すでに飲食業や小売店で働いているなら、インバウンド効果をいち早く取り込む努力もしたいところだ。
「コロナ前の傾向ですと、外国人観光客のリピーターは、ごく普通の町の、ごく普通のお店にも興味を持ちます。地方の小さなお店でも、英語や中国語の表示を貼ったり、外国人には必須のキャッシュレス決済を導入したり、スマホに翻訳アプリをダウンロードするなどしてみましょう。
外国人観光客はSNSでの口コミを頼りに行動していますから、そういう工夫がきっかけで人気を集めることもありますよ」
値上げラッシュにめげず、積極的に収入を増やすチャンスを探したい!
教えてくれたのは……
加谷珪一さん
経済評論家。著書に『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)など。
経済評論家。著書に『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)など。
取材・文/鷺島鈴香