内親王としての矜持を示す佳子さまは、独身の女性皇族として、今と未来の皇室を支える役割を担っておられる。

「未婚の女性皇族は現在わずか5人。現行法では、結婚に伴って女性皇族が皇籍を離脱することになっていますが、昨年12月に出された政府の有識者会議の報告書では、積年の課題である皇族数の確保策として、“女性皇族が結婚後も皇室に残る”という案が上がっています」(前出・記者)

佳子さまが“皇室に残る案”

 結婚適齢期にあたる佳子さまの人生を大きく左右する議論について、宮内庁OBで皇室ジャーナリストの山下晋司さんは、こう見解を示す。

「皇位継承の議論とは別にして、女性皇族が結婚後も皇室に残るという案は、公務の担い手の確保という点では有効です。上皇、上皇后両陛下の長女である黒田清子さんは、国家国民のために皇族としての公務に励んでこられました。それが、結婚により皇族としてのお仕事が“すべて無し”になってしまったわけですが、これは国にとっても損失ですし、残念なことだと思いました」

 とりわけ佳子さまには、未来の天皇を支えるという使命もおありだ。

'21年10月に姉の眞子さんを見送るときにもダークグリーンのスーツを着ていた佳子さま
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「家族であり、皇室の環境を理解している佳子内親王殿下が結婚後も皇室にいらっしゃれば、いずれ即位される悠仁親王殿下を長くおそばでお支えすることもできます。皇族が天皇を支えるというのは、皇室としても国としても必要なことです」(山下さん)

 佳子さまが、公務に邁進されるほど周囲からの期待も膨らむ。こうした中、11月30日に57歳を迎えられる秋篠宮さまが事前に臨まれた記者会見では、佳子さまに関する問いも報道陣から投げかけられたという。

「今年2月、天皇陛下の誕生日会見では“女性皇族が結婚後も皇室に残る案”という表現が質問に盛り込まれました。秋篠宮さまに対しても同様の質問が出されたのでは、という見方が強く、お誕生日当日に公表されるご回答に注目が集まっています」(前出・宮内庁関係者)

 結婚前に法案が可決されれば、生涯皇族として過ごされることになる─。迫りくる重責を誰よりも実感されているのは、ほかならぬ佳子さまだろう。


青木淳子 歴史文化学研究者。学際情報学博士。大東文化大学などで非常勤講師を務め、著書に『近代皇族妃のファッション』ほか

山下晋司 皇室ジャーナリスト。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている