上野動物園のジャイアントパンダ、シャンシャン(5歳、メス)が来年2月中旬~3月上旬ごろに中国に返還されるが、日本で飼育されている13頭のパンダの魅力をあらゆる角度で網羅したクイズ本『このパンダ、だぁ~れだ?』が発売された。
クイズ本『このパンダ、だぁ~れだ?』
著者でパンダライターとして活躍する二木繁美さんは、「コロナ禍でシャンシャンは中国に返還される予定が延期されていました。そういう状況もありパンダが13頭もいることは今までなかったことだと思います。
これまで単体や動物園ごとのパンダの本はよくありましたが、13頭すべてを紹介する本は少なかった。自分自身が欲しいなと思ったのもきっかけです」
シャンシャンのほかにリーリー(17歳、オス)、シンシン(17歳、メス)、昨年6月に誕生したふたごのシャオシャオ(オス)とレイレイ(メス)と上野動物園の5頭をはじめ、和歌山のアドベンチャーワールドの7頭、神戸市立王子動物園の1頭と計13頭だ。
つむじは飼育員も見分けられない
二木さんはアドベンチャーワールドにいた「明浜(めいひん)」と「優浜(ゆうひん)」の名付け親を経験したことでパンダの虜に。10年前にフリーになったことをきっかけに“パン活”にハマり、全国を回りパンダを撮影。
ウェブで連載を担当しパンダの魅力を伝えている。月に数回、動物園に通い1度の撮影では少なくとも300枚、多いときには1000枚以上に上る。
本は、撮りためていた膨大な枚数の中からパンダそれぞれの個性をフィーチャーして全32問のクイズにした。
★1~★5の難易度で、13頭のうちどのパンダかを見分ける。例えば竹を食べている「おいしいお顔だ~れだ」は★1。「このつむじだ~れだ」は★5といった具合。
「パンダ好きで上級者にはそんなに難しくはないかもしれません。ただし、つむじは飼育員さんでも見分けられない人多数でした。
正面を向いて竹を食べているお決まりのものだけでなく、寝ていたり、うんこをしようとしたりする写真もあります。お尻ショットはクイズだけでなく表紙にもしました。桃みたいだったり、しっぽに特徴があったりして“パンけつ”といってマニアなファンもいます。
クイズ本ですが、パンダそれぞれの個性的な姿や格好を写真集のように見ても楽しんでもらえたらと思います」
長年“パン活”するなかでパンダの魅力とは?
「落ち込んでいるときにパンダを見て励まされ、元気になったという方も多い。私の知り合いは、失恋をパンダに癒されたといいます。かわいいだけでない、ファンそれぞれがパンダに思い入れがあって好きになっていると思います。
私自身パンダが大好きでも最初は見分けられませんでした。“推しパン”をきっかけに見続けるうちにわかるようになり、ほかのパンダも見分けられるようになっていました。
パンダを入り口に環境問題、動物福祉、日中関係などにも目が向くようになりました。神戸のタンタンへの婿入りが中止になったのも尖閣諸島問題が原因といわれています。パンダに影響することが気になるようになり、視野を広げてもらいました」
初来日から50年。多くの人に愛され続けるパンダの魅力に触れられる1冊。
13頭の基礎知識を踏まえてクイズにチャレンジしてみては?