愚連隊だった越川容疑者の父親から
越川容疑者の父親と知り合いだったと話す別の男性は、
「捕まった俊雄の父親は“愚連隊”だった。ヤクザの目を盗んで賭場を開いたことで、捕まって留置場に入ったことも。問題の土地は、高利貸しをしていた越川の父親が、人から借金の担保として取り上げたもの。父親が住んでいた一軒家も、借金のカタで手に入れた家です。父親はそんなことばっかりしていた。数年前から体調を崩して、1~2年ほど前に亡くなったけどね。それで今は息子の俊雄が1人で監視しているワケよ」
市との交渉について、越川容疑者はこんなことを言っていたという。
「市はずっと土地の買収交渉をしていたんだが、越川は3億円の価格を提示して、頑として値引かなかった。だけど今回の逮捕前に俊雄と会ったとき“市との交渉は順調か?”と聞くと“1億円で売れそうだ”と言うんだよ。2億円も下がったとはいえ、市がそんなに払うかね?」(同・知人男性)
監視のためか、越川容疑者は、私有地の一角に建てられたプレハブ小屋に住んでいた。
「俊雄がプレハブ小屋に住みだしたのは、5年ぐらい前からかな。詳しいことはわからないけど、親子の関係はよくなかったはず。父親は骨董品が好きで、木彫りの観音像とかたくさん集めていたんだが“俊雄が小遣い稼ぎに盗みに来るんだ”なんてこぼしていたからね。俊雄は定職に就いていたわけではないし、金がなかったんじゃないか」(同・知人男性)
無断侵入に対する4万円の罰金は越川容疑者が生きるため、金を稼ぐ手段だったのか。
「被疑者によると、以前は通行料をとって通行させていたが、ゴミを捨てられるなどの嫌がらせを受けたため、通行禁止にした。最初は罰金1万円だったが、興味本位で侵入する人が後を絶たず、2万円、3万円と値上げしていったと話している」(前出・捜査関係者)
地元のタクシー運転手は、
「車1台が通れるようになっており、タチが悪い。防犯カメラを何台も設置して、入ったらアイツがすぐに車で飛んでくる。それで道路から出られなくなって、車を置いていかなくてはならなくなった人を、今年は3人ぐらい迎えに行きました。警察も“民事不介入”にしており、車を置いたままだと“1日たつと、もう4万円増える”って言われて、みんな諦めて払うんです。トラブルになるのは、事情を知らない遠方からの人だね。鹿嶋市の方面に行くのに、あの道を使えば信号もないから30分ぐらい違うんだよ。通れるようになったら、便利なんだけど……」
問題が解決する日は来るのか――。