どう振る舞えばいいのか

元NGT48・荻野由佳(23)撮影/北村史成
元NGT48・荻野由佳(23)撮影/北村史成
【写真】NGT48時代の荻野由佳

 彼女がトップアイドルへの階段を駆け上がっていた2018年末、グループを揺るがす事件が起きる。NGT48のメンバーのひとりが、暴行事件の被害者となってしまったのだ。

「私はメンバーのグループLINEで事件について知りました。当初、運営サイドから詳しい説明はなく、数か月たってから話し合いの場が設けられ、事実確認ができたような状況だったんです。でも『話し合いの内容は他言無用』とくぎを刺されていたので、私たちは何も言うことはできない。

 なので当時は“どう振る舞えばいいのかわからなかった”というのが本音です。騒動以降にNGTに加入してくれた子たちには、いろいろな苦労を強いてしまったので、今も申し訳ない気持ちでいっぱいです」

 混乱が続くなか、彼女たちは口を閉ざす以外に選択肢がなかったという。その結果、世間ではさまざまな臆測が飛び交うように。そして彼女は、事件とは無関係にもかかわらず、多くの人々から疑惑の目を向けられてしまう。

「確かに、NGTに注目が集まっている時期に、自分の不用意な言動がみなさんの臆測をかき立ててしまいました。それについては自分に落ち度があり、反省しています。ただ、私個人の考えで、被害を受けたメンバーに寄り添えなかったのは本当です。騒動を収めるために取り繕う、という選択もできましたが、私はそれを選びませんでした。今でもその気持ちは変わっていません」

 しかし、荻野が選んだのは茨の道だった。事件以降、批判のレベルを超えた誹謗中傷が、矢のように降り注いだという。荻野は「何もできなかった当時を思い返すと、ただただ悔しい」と語る。