切り抜き需要に応える“編集力”がレベチ!
すのはら氏によると、近年はショートに特化したクリエイターが増えており、長尺の動画から一部を“切り抜き”してショートにアップする(される)ことも多い。
「TikTokから始まったショート動画の文化が今、盛り上がっています。YouTuberのみならず、テレビ局が番組の切り抜きYouTubeにアップしているのも散見されます。また、視聴者が動画の中で面白い場面を切り抜いて拡散するので、ある種の“PRの役割”を果たしてくれる。そこから本編の再生に繋がるというケースは多いです。特に平フラは動画編集の技術が非常に高く、画面の色味がコロコロ変わったり、テロップの雰囲気も単一でなく、さまざまなBGMがかかったりするので60秒間の切り抜きでも見応えがでる。センスや発想のレベルの高さが頭一つ抜けていますね」(すのはら)
2022年2月、平フラはビートたけしと国分太一がMCを務める『23時の密着テレビ「レべチな人、見つけた」』(テレビ東京)に出演し、動画編集の様子を公開している。なんと、200種類以上もあるBGMの中からその動画に最適だと思ったBGMをつけている、とこだわりを披露していた。
「通常、YouTuberの音源はフリー音源から使用することが多いですが、200種類ものストックを持っているのはなかなかないと思います。1本の動画に対しての編集での盛り具合が違うな、と思わせられて専門的な視点で見ても面白いです」(たけち)
コムドットと平成フラミンゴはZ世代にとってクラスメイト的存在?
2021年秋、「高校生が選ぶ好きな芸人・タレントランキング(株式会社アイ・エヌ・ジー調べ)」では3位EXIT、2位千鳥と人気芸人を抜き去り、1位にランクインした平フラ。2022年にはマイナビティーンズラボによる「2022年春夏版、10代女子に人気のYouTuberランキング」で1位を獲得し、Z世代からの絶大な支持を得ている。同世代ではなく、20代後半の女性2人組にも関わらず、高校生から人気となっているのはなぜだろうか?
「もともと、TikTokに投稿していて人気だったのが『女子高生あるある』『部活あるある』といった“高校生ネタ”でした。YouTubeでもこれらのネタは200万回ほど再生されており、非常に共感を得ています。あとは同じく高校生から絶大な人気を得ているコムドットとのコラボを積極的にやっていた時期もあり、大変話題になりました。2021年10月に公開されたコムドットと平フラの『編集合宿』の動画は1200万回も再生されています」(すのはら)
普段はみることができないYouTuberの編集風景をそのままコンテンツ化。両グループが泊まり込みで過酷な編集作業に臨み、仲を深めていく姿がまるで「部活のようだ」と人気
どちらも飛ぶ鳥落とす勢いで登録者数を伸ばしている平フラとコムドット。2021年10月24日から1週間をコラボウィークとし、お互いのチャンネルで動画を毎日投稿。全部で14本の動画の総再生回数は4000万を超えている。NICOとコムドットのやまとがデートをする企画では、個人人気の高さもあり、880万回再生されているが、あまりに親しげな様子から、やまとのファンから“交際しているのでは?”を疑われ、一時は炎上騒ぎにもなるほどだった。さらに、コムドットと平フラは今年の9月に1年ぶりのコラボウィークを実施。その際の動画も平均再生300〜400万と盛り上がりを見せている。