男性B「○○先生、ちょっといいですか? 診察が配信されてるって今、患者さんから(問い合わせが)入っているんですけど」
女性A「今? 寝てましたけど、私」
男性B「今、配信みたいなのされてましたか? なんか患者さんの診察内容、診察風景を……」
女性A「絶対ない、絶対ない、絶対ない。苦情?」
男性B「はい、患者さんから」
女性A「患者さんじゃないよ、それ。無視していいよ」
病院特有の医療機器の機械音が聞こえる室内で、衣服に擦れたような雑音に紛れて聞こえる女性同士の会話。その後に女性Aを「先生」と呼ぶ男性Bが訪ねてきた様子で、冒頭のやりとりが展開された。
これは1月7日に動画のライブ配信サイト『ツイキャス』で生配信された音声で、その一部がSNSによって拡散されたもの。投稿には、“ツイキャス主”とされるアカウント名に《女子:顔出し》のタグ、医療用スクラブを着た女性の画像、そして『こうのす共生病院』と記載されている。
すると同日、埼玉県内にある同名の『こうのす共生病院』公式HP上に掲載されたのは、【病院内の音声が生配信されていた件に関するご報告】というお知らせ。病院内の音声がネットで生配信されていたことを明かし、
【当院医師がプライベートで使用しているスマートフォンから音声を配信してしまっていたことが分かりました。】
勤務する医師に確認した結果、「配信してしまっていた」と事実関係を認めたとするものだった。
「故意ではなく、誤作動だった」
およそ1時間ほどの生配信の中で患者8人の名前、そしてうちの1人の生年月日が個人情報が流出。当該医師は患者に謝罪して1月8日から出勤を停止しているという。『共同通信』によると、病院の調査に対して「故意ではなく、ポケットの中で誤って作動してしまったと思う」と説明するなど、あくまでも“事故”と主張しているようだ。
「確かに誤作動が起こらないとは言い切れませんが」と苦笑いするのは、ネットトラブルに詳しいITライター。気軽に配信ができる『ツイキャス』だからこそ、事故も起き得るのだとも。