ぎこちなくも懸命に踊るおじさんたちの姿が“可愛い!”と評判に。'22年1月に開設し、3か月後には1300万回再生を突破。地元新聞を皮切りに、全国紙やテレビ、さらにフランス、アフリカ、インドと海外メディアにも取り上げられた。その思いがけない反響に、
「他のSNSと違ってTikTokはおすすめ機能によって自分たちを知らない人にも見てもらえる可能性がある。それが選んだ理由でしたが、まさかここまでとは」
“ソーシャルグッド系芸人”の正体
と白瀬さんも驚きの声を上げる。
「インバウンドの意味でも海外の方に知っていただけたのはうれしい。秋の旅割をきっかけに観光客も少しずつ増えてきました。岡山出身の方からは、“動画を見て久しぶりに地元に帰ってきた”というコメントをいただいていて、手応えを感じています」(白瀬さん、以下同)
投稿は基本週2回。撮影場所は地元の駅や学校といった公的機関も多く、これも「おじさんたちだからこそできること」と語る。
「僕と同世代の人たちが今、行政や企業で働いているので協力してもらいやすい環境にある。何より田舎なのでみんな昔からの知り合いばかりで(笑)、ネットワークには非常に恵まれています」
今や和気町のプチ・スターとなった「おじキュン!」。今後の野望はというと?
「より目に見える形で和気町の収益につなげるのが次の目標。ゆくゆくは“おじキュン!のおかげで和気町の人気が上がった”と言われるようになるのが理想です」
丸刈りのおじさんが突如現れ、「借金ありすぎて人生詰みそうって相談、めっちゃ多いんだけど!」と、怒濤の勢いで解決策をまくしたてる─。シュールな動画と異色キャラで“このおじさん、誰!?”と注目を集めているのが「生活保護おじさん」。
“ソーシャルグッド系芸人”を名乗る今話題のおじさんティックトッカーで、その正体は支援系NPO法人の代表を務める佐々木大志郎さん(43)。TikTokの開設は'22年8月で、その動機に専門家としての危機感があったという。
「生活保護の制度についてインターネットで検索すると誤った情報が多い。センセーショナルに煽る内容も目立ち、きちんとした知識を伝えられたらと考えて」(佐々木さん、以下同)
コロナ禍以降、生活困窮者の中でも増加傾向にあるというのがネットカフェ難民をはじめとした若者層。彼らにとってSNSはまさに命綱。