自然の樹木だけに枯れてしまうことも
お墓を継ぐ人がいなくても選択しやすい樹木葬だが、気をつけたいポイントが。
「自然が多い郊外にある樹木葬は、交通アクセスが悪くなることがあります。また、シンボルが樹木であるという特徴上、季節の移ろいによって景観が変わったり、購入時と違う印象を受けることも。ごくまれに木が枯れることもありますが、そういった場合には新しい樹木を植えるといった管理がなされるようです」
また、コストについても気をつけたい点がある。
「墓石代がかからないので、初期投資こそ安く済みますが、アクセスの良い場所にある個別に埋葬する樹木葬に、さまざまなオプションをつけると、従来の一般的な石のお墓と同程度の費用が発生することもあります」
家族にしても、合祀型の樹木葬で名前のプレートがないと手を合わせる対象として違和感を感じることも。
「例えば他の方の遺骨と完全に混ぜてしまう合祀型の樹木葬では、個別で定められた指定の場所ではなく、まとめて納骨されます。家族間でもそれぞれ価値観が違うので、やっぱり個別の墓石が良かったという人が出てくるケースもありえます」
また、個々の区画に埋葬する樹木葬でも、一定の期間が過ぎると合祀される場合もあり、その際は遺骨を取り出すことは難しい。
永代供養墓は樹木葬以外にもさまざまなものがある。
「例えば、見た目は一般的なお墓と似ていて、違う点は、先祖代々で入るのではなく、故人ひとり、もしくは夫婦だけなど小さい単位で入ることです。永代供養をしてもらいたいけれど、他人と一緒のお墓に抵抗がある方に選ばれています。こちらも継承はできず、一定期間を過ぎると他の遺骨と合祀されるのが一般的です」
樹木葬と同じく、こちらにも気をつけるポイントが。
「永代で個別の区画にご遺骨を埋葬する場合、スペースが小さいことが多いです。スペースが埋まっていたらご家族でも近くの場所に入れないこともあります。また、期間が過ぎて合祀されると、後からご遺骨を取り出すのは難しいです」