外国人には『キットカットミニ オトナの甘さ 濃い抹茶』や、静岡・関東限定のお土産商品『キットカット ミニ 田丸屋本店わさび味』などが好評。特に抹茶味はあまりの人気ぶりに、2019年からヨーロッパでも製造販売を開始した。
外国人が驚くのは、日本の『キットカット』のおいしさだけでなく、フレーバーの種類の豊富さだ。
「日本では2000年に初めてストロベリー味が登場して以来、これまで400種類以上の限定フレーバーが発売されました」
メロン、巨峰、マンゴー、レモンなどのフルーツから、日本らしさあふれる小豆、和きなこ、大学いも、ほうじ茶など、バラエティー豊かなラインナップが並ぶ。ゆずこしょう、みそ、スポーツドリンク味、のど飴味などのユニークな商品も話題を呼んだ。
「期間限定商品は、基本的に1~3か月未満を販売期間としています。現在は、ひなまつりの時季はピーチ、ハロウィンではパンプキンなど、季節感を重視した商品開発を心がけています」
最近では、昨年12月に発売された限定商品『大福味』がSNSで人気を集めた。
「大きな福がキット、来る!」をテーマに、個包装にも「きみののびしろ、もちの如し」「あせらず、一歩ずつ!」など、受験生への応援メッセージをプリント。やさしいあんこ風味で、受験を控えた学生たちを勇気づけた。
社内で受け継がれる受験生応援の鉄則
今では受験生のラッキーアイテムとして知られる『キットカット』だが、実は九州地方から広まったという。
「'90年代終わりごろから、受験シーズンに九州地方で『キットカット』がよく売れているとの営業報告があがるようになったんです」
調査の結果、九州地方の方言で「きっと勝っとお(絶対に勝つよ)」という言葉が商品名とかかっていることから、縁起担ぎで購入する人が増えていったのだ。
「私自身も福岡県の出身で、今から20年ほど前に、受験を控えた弟が机に『キットカット』をひとつ置いていたのを覚えています。食べようとしたら『ダメだよ、お守りなんだから!』と怒られたんです(笑)」