「睡眠中に起こる脳の変化が関係していると考えらえています。睡眠中は脳の細胞間の隙間が広がって、老廃物を流すリンパ液の流れがよくなり、アミロイドβを脳の血管へ出す“穴”のようなものも開きます。これらの作用によって、アミロイドβの排出が促されると考えられます」(白川先生、以下同)
寝ているだけで認知症のリスクが減らせるなら、それこそ夢のような話だが、実際は「質のいい睡眠」はなかなか難しい。眠りについて多くの人が悩んでいることは、睡眠の質向上をうたった「ヤクルト1000」が品薄になるほど爆発的に売れたことでもわかる。
快眠生活のコツはなんだろうか。
睡眠の質を上げる快眠ワザ
「光と運動がポイントです。朝と日中にしっかり光を浴びることで、体内時計がリセットされ、正しく働くようになります。また、日中に運動して体温を上げると、夜に自然と体温が下がり、眠気をもたらします」
運動は特に夕方がおすすめだという。夕方の休憩時間に仕事場の外に出て、日光を浴びながらちょっと歩いたり、スーパーに買い物に行く時間を意識して夕方にするだけでも違うだろう。
「睡眠や生体リズムを調整する脳の機能は加齢とともに、どうしても衰えていきます。眠りが浅いなど、不眠が気になる人は生活習慣を見直すことがおすすめです」
脳の老廃物を排出させて認知症のリスクを減らすためにも、早いうちから快眠生活を心がけたい。