サッカーファンに虚しく響く発言は
「日本のサッカー指導者ライセンスであったり、Jリーグのチーム名に企業名を入れることであったり、本田さんは強い言葉で疑問を呈していますが、昔から何度も何度も議論されてきたことで、結果、今があるというものが多い。もちろん議論すること自体は良いことだと思いますし、議論の余地がある話でもあると思いますが……。
特に指導者ライセンスについては、基本どの国であってもライセンス制度があり、どんな有名選手でもその手順を踏んでいるわけで、“ライセンスがなくても誰でも監督になれるようにするべき”という本田さんの意見は少々暴論に聞こえます。
ましてや本田さんとともにワールドカップなどを戦った内田篤人さんや中村憲剛さんといった元有名選手たちは地道に制度を踏んで、着実に指導者ライセンスの取得を進めています。そのなかで片手間に現役をやっているような状態で発言してもサッカーファンには虚しく響くでしょう。ほとんどプレーしていないここ数年でライセンス取得に臨んでいれば、内田さんや中村さんと同じような状況になっていたでしょうから」(同・サッカーライター)
また、“現場”からも不満の声が。ある高校サッカー部の指導者は以下のように本田の発言に苦言を呈す。
「高校サッカー自体、またその指導者たちに問題があるという発言がありました。もちろん“世界レベルの指導・戦術をしているのか”などと言われたら返す言葉はないかもしれませんが、高校サッカーの指導者の多くは当然ながら選手のために一生懸命努力し、勉強して指導にあたっています。今は地域の中学生年代のクラブと連携して6年間をかけて育成する高校も多く、大昔の高校サッカーのイメージである“とにかく勝つためだけに”という姿勢で指導している人は少ない。
しかし、あれだけ影響力のある人が高校サッカーの指導者を十把ひとからげにしたように“問題がある”などと発言してしまうと、それに対して不満を持つ指導者も多いのではないかと思います。それは双方にとって良くないのではないでしょうか。また、ネガティブな発言をするなら、具体性をもって指摘してもらいたいと思ってしまいます……」(高校サッカー部の指導者)
選手としては華麗なる実績がある本田。その存在感はTwitter以外で見せてもらいたいものだが……。