家事では妻が上司

「現代はさまざまなAI(人工知能)が開発されていますが、最も作成が難しいのは家事をするAIだといわれているほど高度な作業。それを日々こなしている主婦は家事のエキスパート。ですから家事を夫に頼むときも、自分は上司で部下を育てるつもりで、夫に接しましょう

 このとき、特に注意したいのが夫にかける言葉。

「部下に『私がやるからもういい』『ほんといいかげんなんだから』などと言えば、パワハラになりますよね。夫婦間でもこれは同じ。パワハラにならないか意識して話すことで、自然に妻語は減っていくはずです。

 やってほしいことは『お願い』と『ありがとう』のサンドイッチで。気に入らないことがあったら『ここ、私はこうしてるの。そのほうが後が楽よ』というように、より良くなる提案をするように。否定文“しちゃダメ”を使わないのがコツです」

※写真はイメージです
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家事分担はリーダー制に

「分担する場合、私がおすすめしているのが、家事のリーダー制。得意分野で担当を分けて、責任者になってもらうやり方で、わが家では夫が『洗濯リーダー』『ゴミ出しリーダー』『そばゆでリーダー』を担当しています」

 リーダーは自分の好きなようにそのタスクを遂行。家族に仕事を割り振る権利も。

「夫の洗濯物の干し方を見て、『ん?』と思ったことは、私にもありました。でもある日、理由を聞くと『これを先にしたほうが干しやすい』と合理的で、私より無駄がないと判明。このように家事を縦割りして、丸ごとまかせると、お互いのスキルを尊敬できるという良い効果もあります

 リーダー制を導入するとき、夫にどう言えば?

「苦手やパニック状態をアピールするといいのでは。例えば、わが家の場合、私がそばをゆでるのが下手で、夫に『やってくれない?』と頼んだのがそばゆでリーダーのきっかけ。一方、洗濯リーダーは私が仕事と家事で息つく暇もない中、外出する時間が迫り、パニックになったことがきっかけで、夫が担当してくれるようになりました」

 妻語を使わずにすむ場面を増やして、夫婦円満を実現!

 教えてくれたのは……くろかわ・いほこ ●人工知能研究者、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家。AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。

〈取材・文/中西美紀〉