真相は定かでないが、前述のとおり、アソシエイト弁護士としてデビューを飾れば高収入が見込める。では、どのような働き方になるのか。
「法務助手と弁護士との間に、仕事の線引きはほとんどなく、やる内容が大きく変わることはないと思います。ただ、個人事業主である弁護士は、ノルマを達成することで報酬を得られる。裏を返せば“ノルマを達成するまでは、寝る間を惜しんでも無限に働きなさい”ということです」(清原弁護士)
競争から脱落する弁護士も多い
ノルマとは、パートナー弁護士から割り振られる仕事を指す。
「ベテランであれば、1日8時間で達成できるノルマでも、1年目の弁護士が最初から同じように仕事を捌くことは不可能。2倍、3倍、すなわち1日に16時間から24時間、働くこともあるでしょう」(清原弁護士)
ノルマを達成できなければ、想像以上に厳しい現実が待ち受けている。
「1年目の収入が約3000万円だとしても、ノルマを達成できなければ、翌年の減額は免れません。最悪の場合、1、2年でクビになるケースも」(前出・法曹関係者)
激務をこなしてノルマを達成した場合、給料は上がるが、そのぶん仕事量も増える。
同僚の弁護士との熾烈な競争に身を投じ、知識と経験を積みながら、自ら顧客を獲得できる人脈を築いていくことが、出世の近道だという。
「パートナー弁護士になるためには、早くて10年といったところかと。パートナー弁護士は、いわばピラミッドの頂点。過酷なノルマを達成し続け、競争に勝ち抜いた人だけが得られる称号なのです」(同・法曹関係者)
こうした中、“脱落”する人は少なくないようで……。
「過酷なノルマに辟易し、“もう競争は嫌だ”という人は事務所を辞めて転職、または独立します。事務所はもとから、アソシエイト弁護士については、辞めていくことを前提に採用していますよ」(清原弁護士)
圭さんにとって2023年が“勝負の年”になることは言うまでもない。
清原 博 国際弁護士。アメリカの法律事務所で勤務後、帰国して『むさし国際法律事務所』を開業。多数のメディアに出演する