出町容疑者は青森市出身。仙台市の私立高を経て近畿大学に進み、空手道部で活躍。最上級生のときに全日本大学空手道大会の男子団体で優勝するなど清い汗を流していた。
優勝の喜びをSNSでこう綴っている。
《今まで監督への恩返しだけを考えてやってきました。最後の最後にそれが返せて嬉しく思います。(中略)どんぐりの背比べと言われ続けた自分達の代ですが、一人一人が強いどんぐり達で最後を締めくくる事ができました》
大学卒業後も空手を続け2014年、東日本実業団空手道大会の75キログラム級個人組手で初タイトルを獲得。勝っても驕らず、
《内容はただ、若さに任せて勝ったようなものなので、これから考えるべき事がたくさん見つかりました。それでも、近大で培った事は生きていて、改めて大学、監督、OBの先輩方に感謝をしています》
と謙虚だった。
左膝の靭帯を切るケガで手術すると、リハビリに励んで競技に復帰。17年には所属企業で全日本実業団空手道選手権大会の団体組手優勝に貢献し、
《先輩方に優勝プレゼントできてよかった…。全員集まることなんて出来なくて練習も全然出来なくて仕事ばっかりで試合に臨んだけど要するにチームワークって事で!笑 また頑張りましょー!》
と誇らしげに金メダルをぶら下げつつ、先輩を思いやるのだった。
なかなかの実力者らしく、
「出町容疑者は空手の有段者で、地元・青森県代表として毎年のように国体に出場してきた実績を持つ。組手競技の中量級で将来を期待された選手のひとりだったが、もうひとつ戦績が伸びなかった。18年の国体2回戦で、寸止めしなければならない攻撃を対戦相手に当ててしまう反則負けを喫してから名前を聞かなくなってしまった」(青森県のスポーツ関係者)
出会ってはいけない2人を結びつけたのは“合コン”
礼節を重んじる男はなぜ違法薬物に手を出し、指導者らへの恩を仇で返したのか。前出の記者はこう話す。
「軽い気持ちで手を出したレベルではない。一部報道などによると、出町容疑者は中学生の頃、先輩らに勧められて大麻を初めて吸ったと供述しているらしい。3年前、仙台市内で警察官の職務質問で大麻所持がバレる逮捕歴があり、これがターニングポイントになった。一方の安部容疑者も22歳の頃、渋谷のクラブで知り合った人の自宅について行き、大麻を回し吸いしたのが初めてと話し、未経験ではなかった。出会ってはいけない2人を結びつけたのは2年前の夏に開かれた合コンだったという」