就寝前のチョコで睡眠の質を上げる
ムードフードが広く知られている欧米では、その効果を活用したサービスが実施されている。
例えば、イギリスのある航空会社では、旅行客がリラックス気分を得られるよう、心身が落ち着くメニューを開発。リラックス効果がある緑茶とラベンダーケーキなど、ムードフードが入った食事セットを「ムードフードボックス」として提供していた。
また、世界の5つ星ホテルでは、客室を就寝の状態に整える際、ベッドサイドにチョコレートを置く「ナイトチョコレート」というおもてなしのサービスがある。
寝る前にチョコレートを食べると、カカオポリフェノールの効果によって精神の安定が得られ、睡眠の質が改善されることが研究で明らかになっており、この効果を利用したサービスだ。
海外では夜に甘いものを食べることを、日本ほど気にしていないという背景もある。
日本でも帝国ホテルやリッツ・カールトンといった高級ホテルで導入されている。
健康に役立つ上手な食べ方
間食やおやつを食べるときには、ムードフードを意識して食べるとよい、と矢澤先生。
「おやつを食べると太ったり、3食きちんと食べられなくなったりするのではと心配する人がいますが、おやつはお腹を満たすだけでなく、気分転換やストレス解消などの効果も期待できます。
また、1日の総カロリーが同じであれば、食事を1日3回ではなく、4回、5回と分けて食べるほうが血糖値の急激な上昇を抑え、2型糖尿病やメタボのリスク低下につながります」
ただし、食べすぎは禁物。おやつを健康維持に役立てるには、食べ方と何を食べるかが重要だ。
「1回のおやつは、200kcalを超えないようにすること。そして、なるべく砂糖や塩分、脂肪が少ない食べ物を選んでください。チョコレートなら高カカオポリフェノールのものがおすすめです。
病気にならないようにするには、栄養、食事、休養が大切。このうちの栄養、つまり食べ物によって予防できるのが、ブレインフードでありムードフードなのです」
心と身体によいムードフード。楽しく上手に摂取して、日頃のストレスを解消しよう!