盗難やセクハラつきまといが心配

 防犯カメラや利用客に個々に渡される専用のセキュリティーカード、緊急呼び出しボタンなどの安全性をうたってはいるが……。以前コンビニジムを利用したAさんは、自身の苦い体験をこう話す。

「ジムでネックレスを外し、そのまま置き忘れてしまいました。気づいて取りに戻りましたが、どこにも見あたらず。運営会社に問い合わせましたが、自己責任といわんばかりにまともに取り合ってもらえなかった」

 会費が安いジムでは、荷物を預ける棚に鍵がないオープンラックだったりする。学校の靴箱のようなスペースに荷物を置くというのはいささか不安だ。

「仕事帰りにふらっと立ち寄れるというコンセプトですが、貴重品どころか、パソコンの仕事道具などを持ち歩く利用者も多いはず。実際にジムに通う人に話を聞いてみても、トレーニング中にも荷物が見えない『死角』が心配という声は多い。盗難のリスクは看過できません」(坂上さん、以下同)

 シャワー室がついていないことも多いうえ、更衣室が「男女兼用」のところもある。

残念なことですが、利用者同士のトラブルで女性へのセクハラ、つきまといなどの性的被害は、フィットネス業界では多いんです。どこのジムでも問題になるので、運営会社が知らないとは思えない。スタッフが不在のジムの場合、セキュリティー会社と連携しているから安心、とPRにうたっているところもありますが、客のモラルに頼っている部分も多い」

 スペースが広くないジムで、夜間のトレーニング中に、どんな人と一緒になるかもわからない物騒さ。女性がひとりで通うには、勇気と慣れが必要か。

 業界をリードするライザップグループの「チョコザップ」は都市圏を中心に出店を急速に拡大、全国に2000店舗にまで伸ばすという。コンビニジムが順調に増え続けているというのであれば、「女性専用店舗」が登場してもいいものだが、現在は数えるほどというのが現状だ。