ゴルフ場で倒れた後に買ったフェラーリは
橋本が笑瓶さんにお別れを告げに行くと、そこにはダチョウ倶楽部のリーダー・肥後克広がいたという。'22年に亡くなった上島竜兵さんのときと同じように、リーダーは笑瓶さんに寄り添っていた。
「お線香を絶やさないよう、消えたらすぐ火をつけて。本当にいい仲間だなって思いました。笑瓶さん、どうしてこんなに早く逝っちゃったんだろう」(橋本、以下同)
明るく話していた橋本だったが、徐々に思いが込み上げてきたようで、大粒の涙を流し始めた。
「今頃は、なかよしの竜ちゃんと天国でいっしょにいると思います」
笑瓶さんの愛車はフェラーリだった。少なくとも3000万円以上はする高級イタリア製のスポーツカーを買ったのは、以前ゴルフ場で倒れた後のことだったという。
「あのとき、このまま死ぬって思ったそうで“あーあ、フェラーリに乗りたかったな”って思ったみたい。だから“悔いなく生きよう”って買ってましたね。とにかく車が好きで、特にフェラーリは自宅とは別に専用の倉庫を借りて大事にしていました」
悔いを残さないために、諦めたものもある。ヘビースモーカーだったが、倒れてからはきっぱりとやめた。
「最後に会ったのは、昨年12月。私がバイクを買ったら“見に来たで〜”って突然やって来たんです」
笑瓶さんは自分の死についての“夢”を語っていたこともある。東京ドームにお客さんを集め、臨終を迎えるというものだ。
《お医者さんが“ご臨終です”ってマイクで言うと、5万人の観衆が“死んだんや、笑瓶。今、死んだんや”って呟く……。夢物語ですよ。現実にはしないし、できないけども(笑)》(『BIGtomorrow』'03年3月号)
奇妙な夢だけれど、こんな理由があるらしい。
《死ぬときに、日本のこの時代に生きていたってことをひとりでも多くの人に認知していて欲しいなと思ってる》
大丈夫、これからも笑瓶さんの笑顔を忘れません。