Case1:Aさん(68歳)自覚症状を2年間放置……抗がん剤が必要に
2年前、右の乳頭に陥没ができましたが、特に痛みもなかったのでそのまま放置していました。今まで出産歴はなし。喫煙・飲酒の習慣もありませんでしたし、閉経していたので自分が乳がんになるわけがないと思っていました。
ところが自治体からの案内で、なんとなく検診を受けたところ、乳がんの疑いあり。すぐに乳腺クリニックを受診したら、やはり乳がんと診断されました。
それだけでなく、脇のリンパ節にも転移しているとわかり、抗がん剤と分子標的治療薬も必要になりました。
これらの薬は脱毛や倦怠感、手足のしびれ、免疫力の低下、下痢などの副作用が多く、治療費もかなり高価。60代の体力ではとてもきつくて……。
今も大病院に通っていますが、いつまで続けなければならないのやら。なぜもっと早く病院に行かなかったんだろうと、後悔しています。
乳がんを大きくする女性ホルモンは閉経後は皮下脂肪でつくられる!
【閉経前】
女性ホルモンのエストロゲンが卵巣から分泌され、乳腺に働きかける。がん細胞はその影響で成長する。
【閉経後】
皮下脂肪に多いアロマターゼという酵素によって、副腎から分泌される男性ホルモンがエストロゲンに変わり、乳がんリスクに。
閉経後乳がんのリスクを減らすセルフチェック
(1)BMI指数で適正体重を維持
体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕=BMI指数
標準指数は18.5~25。25以上の人は肥満傾向にあるので注意!
(2)ブレスト・アウェアネスで異変に気づく
・日常的に乳房をよく見る、触って確認する
入浴前や着替えのときに、鏡で確認。入浴中はせっけんをつけて胸を満遍なく触り、しこりなどの違和感がないかを確かめる。
・乳房に下のような変化がないか確認
□しこり
□乳頭からの分泌物
□皮膚のへこみ、ひきつれなど
□左右で大きさや形が違う
・変化に気づいたらすぐ医師に相談
・40歳以降は2年に1回乳がん検診を受ける