ギャル特有の縦社会が教育の場に
読者モデルだった彼女たちの中からは、益若つばさ(37)、小森純(37)、鈴木奈々(34)、ローラ(32)、舟山久美子(31)、藤田ニコル、池田美優、生見愛瑠(21)など、そうそうたるメンバーがテレビメディアへと送り出されていった。なぜここまで多くのタレントを輩出できていたのか。
「『Popteen』で彼女たちは教育されていた部分もあります。ギャルの世界は縦社会なところがあり、挨拶や上下関係などに厳しい。それでいて仲間意識も強い。先輩たちがタレントになれば、憧れてその道を目指すようになります」
さらに、アンケート至上主義の誌面作りも功を奏す。
「編集部は読者アンケートを重視していました。読者モデルたちも編集部から求められるアンケートを毎号徹底的に書いていました。それが自分自身を見つめることにつながり、セルフプロデュースに長けたタレント性を生み出したという面もあるでしょう」
長く続いたアンケート主義は、ここ数年変化が見受けられた。
「みちょぱさんや、ニコルさんが卒業したあたりから、新たな人気モデルが輩出されていない印象ですね。最近の誌面ではSNSで活動するインフルエンサーなど、編集部が育ててきたモデルじゃない女の子をメインで起用することも。
モデルたちがダンス&ボーカルユニットを組んでデビューの道のりを追うような企画が登場するなど、今っぽさはあるのかもしれませんが、従来の『Popteen』が好きだった読者は、“作られた感”のある誌面の変化に戸惑った面があるかもしれません」
作り手側もそうせざるをえなかったのだろうと推測する。
「ギャルファッションは衰退し、主流は韓国風のファッション。しかもSNSの発信が影響力を増した。例えばTikTokで女の子から高い支持を得ている『しがらん』のらんちゃん。彼女は韓国人で、160万フォロワーを誇るインフルエンサーです。黒髪と韓国メイクがトレードマークで、10代の女性はそうしたファッションに目を向けています」
ギャルになりたい女性が減り、雑誌ではなくWEBを参考にするように。こうした状況を考えると、雑誌『Popteen』が事実上の休刊によって“ギャルタレント”が生まれにくくなる可能性も?
「キャスティングする側にしても『Popteen』という看板は重んじていたでしょうし、減ることは十分に考えられます。ただ、形を変えつつこれからも残るとは思います」