「当初の練習通りに“絶対勝つぞ!”と応援変更を守るファン、それを知らずか“サムライ倒せ!”といつも通りの応援をするファン、そして次第に声が大きくなっていったのが“読売倒せ!”の掛け声でした(笑)。
これを聞いたドーム中の野球ファンが失笑しつつ、“阪神ファン、やったな”と。まあ公式戦ではない、しかも大谷選手のホームラン直後だっただけに場内は終始和やかな雰囲気でしたね」(前出・野球担当記者)
WBC主催はMLBと読売新聞だった
「読売倒せ!」と名指しされたのはもちろん「読売ジャイアンツ」のことだろう。長いプロ野球の歴史とともにライバルとして競ってきた球団だけに、阪神ファンに染みついているフレーズなのだろう。
ただ、この日のドーム内に響いた「読売倒せ!」は、一部関係者にとって一切笑えない内情もあるようで。記者が声をひそめる。
「阪神さんは“巨人を倒せ”の意味と受け取るでしょうが、この阪神との強化試合も含めた本大会の主催は、MLBとMLB選手会による『ワールド・ベースボール・クラシック・インク』と、読売新聞社なんです。
WBCよりもプロ野球の方が大切という野球ファンもいるでしょうし、万一にも大会で選手が怪我をすればペナントレースに響く恐れもある。阪神からも湯浅京己投手と中野拓夢選手が招集されています。
そういう意味では、阪神ファンが叫んだ“読売倒せ”はあながち間違いではないと言えますし、現地の読売関係者は顔を引きつらせていたのかも(苦笑)」
同じく3月7日の強化試合、韓国代表チームを相手にした阪神ファンは通常通りのチャンテで「韓国倒せ!」を大合唱したとのこと。彼らの“チーム愛”もまたワールドクラスということで。