「ホス狂いシェアハウス」の住人たち

私、歌舞伎町にいる女の子を拾っちゃう癖があったんです。道に転がってる女の子を家に連れていって住まわせるみたいな(笑)。たぶん、自分を重ねていたんですよね。『この子は私自身だ』って。自分に優しくできない代わりに道で寝ている女の子に寝場所や食事をあげて、一緒にホスト遊びをしました。そんなことしてたら、あだ名が『ゴミ収集車』になっちゃって。6畳のワンルームで、多いときには4人くらいで住んでました。たしかにごみ溜めみたいだったのかも(笑)」

 あおいさんの自宅は、問題児たちが集まる『ホス狂いシェアハウス』になった。破天荒な女の子が集まるこの家はハチャメチャだったという。

「驚いたことはたくさんあったんですけど、ミカちゃんという友達がユニットバスのお風呂場で子どもを生んだのは衝撃的でした。本人も私も気がつかなかったんです。出血を生理だと勘違いしていて、お腹も普通にちょっと太ったくらいの感じで。早朝に急にお風呂場から叫び声が聞こえて見に行ったら、もう頭が出ていました

 どうにか子どもは産まれた。お風呂場で生まれた子どもを見て、自分が育てようかとも考えたという。

「ああ、この子も望まれない子どもなんだな、私といっしょだなって思いました。もう私が引き取ろうかなって。でも育てられないから結局、乳児院に預けました。いい養子先が見つかったみたいで、いまは幸せに暮らしているそうです」

 ミカさんは子どもを産んだ後、あおいさんに感謝をして「一生裏切らない」とまで言ったが、すぐにその言葉は嘘だったことがわかる。

「私を借金の保証人にして逃亡しちゃったんです。保証人になってほしいとは言われていたんですけど、ちゃんとした相談はせずに勝手に書類を書いて、ヤミ金で60万円の借金をしてどこかに消えて、私が肩代わりすることになりました。歌舞伎町のヤミ金だったので、どんどん膨らんでいくんですよね。返しても返しても増えて、結局500万円くらいになりました

 その借金は恩人であるバーのオーナーに立て替えてもらい、現在もオーナーに借金をしている状態だ。「ホス狂いシェアハウス」ではミカさんの妊娠騒動以外にも数多くの事件があった。

ホストクラブで売掛をした女の子が住所を私の家にしていて、ホスト5人が土足で家に上がり込んできたり、私がいない間にホストを連れ込んだあげく、私が持っていたベルサーチのキャップを勝手にホストにあげた女の子がいたり、朝起きたら財布から1万円がなくなったり、いろんなことがありました」

 借金を返すために必死に働いたことで、自然とホストクラブに行く頻度は減り、YouTubeを始めてからはプライベートで遊びに行くことはなくなったという。