「仕事から帰宅中に被害に遭いました。時間も覚えています。夕方18時20分でした。23分の千葉行きの電車に乗ろうと改札からホームへの上りエスカレーターに急いでいたところ、ぶつかられました。すごい勢いで私のほうに向かってくる男がいたので避けようとしたら体当たりをされたんです。よろけて跪いた形になったらその男は戻ってきて私の手を踏んで去っていきました。そのときにわざとだと確信して男の顔を見たら、血走った目でこちらを振り返り走って逃げていきました」
川田さんは痛む右足を引きずりながら駅員に通報し、警察に被害届も出したが、いまだに犯人は捕まっていない。
「故意ではない」の言い訳は通用しない
「私が被害を投稿したら、同じように被害に遭ったという女性たちからメッセージが数件来ています」
と、明かす。
一方で突然のことで加害者の顔も見られないまま、泣き寝入りしている被害者も多い。また、相手が「故意ではない」と言い張った場合はどうしたらいいのか。
アディーレ法律事務所の長井健一弁護士は、
「故意かどうかは、本人の供述だけでなく客観的な状況や目撃者の証言などを総合的に考量して判断されます。したがって、故意でないと言い張ったから犯罪が成立しないとはなりません。また、うっかりだったとしても相手がケガをすれば、過失傷害罪が成立する可能性があります」
被害に遭ったらどうすればいい?
「被害者がケガをした段階で警察に被害届を出すことは可能です。故意に体当たりしたことが認められれば傷害罪となります。また、被害者や周囲の人間が現行犯逮捕することもできます」
人混みが戻ってきた今、体当たり男も増えている。