日本人の死因として最も多い病気は男女ともに「がん」だが、女性の死因第2位の「心疾患」と第4位の「脳血管疾患」は、いずれも血管が硬くなる動脈硬化が主な原因。
血管力チェックリスト
血管のダメージが最終的に脳に出るか心臓にくるかが違うだけで、いわば同じ「血管病」と捉えることができる。そして女性の場合、この血管病が、がんを抜いて死因第1位になるのだ。
脳血管疾患には脳梗塞や脳出血、心疾患には心筋梗塞や狭心症が含まれるが、いずれも突然死だけでなく寝たきりに陥るリスクも高く、健康寿命を縮める原因にもなっている。
血管病を招く動脈硬化に詳しい増田大作医師は「加齢とともに女性に血管病が増える理由には、高血圧や脂質異常、糖尿病といった生活習慣病や喫煙に加えて、女性ホルモンも関係しています」と話す。
「女性ホルモンのエストロゲンは、動脈硬化を悪化させる悪玉コレステロールを減らし、逆に血管の状態を改善してくれる善玉コレステロールを増やします。
さらに、血管をやわらかく保ったり、血管を拡張して血圧を下げたりと、さまざまな働きで血管を守っている。
問題はこの救世主のようなホルモンが更年期以降は激減すること。にもかかわらず、これまでと同じ生活を続けていると、一気に動脈硬化が進むことになるのです」(増田医師、以下同)
実際に女性の悪玉コレステロールの平均値は更年期を境に急増して男性の平均値を抜き、心筋梗塞などの心疾患の発症率も男性に近づいていく。つまり女性は“血管力”を高めることが、男性以上に健康寿命をのばすことにつながるのだ。
まずは「血管力チェックリスト」で自分の危険度の確認を。たばこや肥満、高血圧などは血管のダメージに直結するが、食事や運動も血管力アップにつながる。
ラクに続けられる血管若返りワザで“オンナの危機”を乗り切ろう。
血管力チェックリスト
□体重が増えてきた
□たばこを吸う
□運動の習慣がない
□魚より肉を多く食べている
□牛乳、チーズ、バターなど乳製品が好き
□血圧が高くなってきた
□血糖値が高め
上記の内、2つ以上当てはまったら要注意!