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ー 知って楽しい!おもしろ雑学

 

 日常の気になる疑問を解決!生き物の新種を発見するのは探検家やハンターなの? 知って楽しいおもしろ雑学を友達や家族にも教えてあげよう。

知って楽しい!おもしろ雑学

Q.生き物の新種を発見するのは探検家やハンターなの?

A.探検家は新種を発見できません。発見するのは学者だけです。(広島修道大学人間環境学部 助教 岡西政典さん)

 現在放送中のNHK連続テレビ小説『らんまん』。幕末から昭和の時代を生きた日本の植物学者の父、牧野富太郎をモデルにオリジナルのストーリーが展開されている。

 新種や新品種など1500以上の植物を発見し、命名した牧野富太郎。ここで、ふと疑問が。新種を発見するのは探検家など未知の世界を訪れる人たちのイメージだが、そうではないのだろうか?

 疑問に答えてくれたのは、植物の根のような見た目をしたクモヒトデの研究をしている、広島修道大学の岡西政典さんだ。

新種を発見するのは、論文を書く分類学者や研究者で、探検家たちは、まず新種を発見できないんです。

 というのも、その生き物が新種だとわかるのは採集したときではなく、まだ名前のない生き物だという証拠を集め、それを証明したときだからです。

 その意味で牧野富太郎は植物学者であり、分類学者だと言っていいと思います」

 新種は野外で“発見”されるものではないのだ。

その生物に関する古今東西の文献を突き合わせ、世界中の標本と比べることで、初めてそれが新種だと認識できます。さらに、それを論文や科学雑誌などで発表することで、初めて『新種を発見した』と言えるのです

 論文は世界中に発表するものなので、英語で書く場合がほとんど。それにも、長い年月がかかる。

「生き物の種類にもよりますが、分類学者が生涯で発見できる新種は100種類ほどかなと。私はこれまで、23種を発見しました。ですので、牧野富太郎の功績はすさまじいものだと思います」