本作は、“PARCO劇場開場50周年記念シリーズ”と銘打たれている。現在36歳の勝地が50歳になったとき、どんな自分になっていたい?

「20代はがむしゃらで。そこから学んだうえで30代はいろんなことに挑戦している最中で。そんなふうに過ごしながら40代で自分の立ち位置を確立して、50代や60代では自分の好きなことをやっていたいかな」

まだまだ“勝地涼”を知ってもらう段階

 具体例として、尊敬する古田新太堤真一の名を挙げた。

「おふたりは、ご自身が本当にやりたい作品をやっていらっしゃると感じます。そのうえでオファーされ続けている。僕はまだまだ、世の中の人に“勝地涼”を知ってもらわないといけない段階だと思っていて。夢を叶(かな)えていくために、待っているだけじゃなく、“この演出家と一緒にやりたい”と言えるような仲間をもっとつくっていきたいです」

 今でも、十二分に知名度があると思うが、

「見たことはあっても、わからない方は多いと思います。今は情報が早い時代なので、少しの間出ないだけで“過去の人”になってしまう。だから記憶に残る作品や役を作っていきたいです

 子役時代の『さとうきび畑の唄』('03年)、20代では『あまちゃん』('13年)での“前髪クネ男”、近年であれば『志村けんとドリフの大爆笑物語』('21年)の加藤茶役……。強烈な印象を残した役はいくつもある。

毎年じゃなくていい。自分にとっての代表作といえる作品に出会えれば、新たな作品への声がかかって新たな挑戦ができる。そうやって自分を更新しながら、届いていなかった方にどんどん知ってもらえるようにならないとダメだなと思っています。好きなことに情熱を注げて、そのうえで求められ続ける。考え続けているのは、そんな俳優像です」