もっとも、おばあちゃん世代ばかりを責めることはできない。核家族化が進み、共働き世帯が増えるなか、子育てにおいて祖父母の協力は不可欠。「孫育て」という言葉も一般的となったいま、体力を振り絞って育児に協力している祖父母は少なくない。ママ世代も、当時はその方法が常識だったことを理解し、育児の手助けに感謝するなど双方の歩み寄りが必要だ。

「といっても、この歩み寄りがなかなか難しいんですけどね(笑)。私も娘がいますが、孫の育児については、ずいぶんケンカをしました」

「ママの愛とおばあちゃんの愛は違う」

 40年の保育士経験を持ち、子育ての専門家である榎本さんですら、孫育てをするなかで葛藤があったという。

「食事のマナーやあいさつなど、日常生活で身につけるべき教えを私は大切にしていましたが、娘は自由を重んじる気持ちが強く、何度も衝突しました。でもある日孫から、何げない会話の中で“ママの愛とおばあちゃんの愛は違う”と言われたことがありました。そこで祖父母は自分の価値観を押しつけるのではなく、親の子育てを応援してあげることが大切だと気づきました。一日中子どもと向き合う母親は、並外れた精神力が必要です。だからこそ祖父母は一歩引いて、親の支援に回ってほしい。と言いつつ、私も上手にできませんでしたけどね(笑)」

お互いの“知恵”を出し合ってこそ、子どもにとってもいい子育てになるに違いない ※写真はイメージです
お互いの“知恵”を出し合ってこそ、子どもにとってもいい子育てになるに違いない ※写真はイメージです
【写真】丸山桂里奈が公開した数年前の水着ショット

 遠慮がないからこそ母娘はぶつかるが、子どもや孫がかわいいのはみんな同じ。榎本さんは、自身と同じ“おばあちゃん世代”の読者に向け、ふたつのアドバイスをくれた。

「まずは、ママさんを信じてあげること。そして、口は控えめにして(笑)、手を貸してあげることです。2世代が協力し合いながら、それぞれの子どもの個性に合った育児を模索していきましょう」

 最後に、印象に残ったアンケート回答を紹介したい。

「子どもが小さいうちは、母から何かいろいろ言われましたが、聞き流していたのであまり覚えてません(笑)」(熊本県 36歳)

 時にはこれくらいおおらかなほうが、お互いうまくいくのかも!?


取材・文/植木淳子