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ー 韓国に帰化しアメリカへ
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ー 結婚を誓ったトニーと連絡が取れないままに

 在日三世として東京に生まれ、人気シンガー、クリスタル・ケイ(37)を女手ひとつで育てたシンシア(60)。海軍で働くトニーとアメリカで結婚するため、韓国へ帰化を決意。19歳のとき生まれて初めて母国を訪れた。

韓国に帰化しアメリカへ

「釜山の観光案内所のおばさんのおかげで、無事に戸籍謄本を受け取ることができました。日本へ帰国後、パスポートを取得。1982年春、韓国に帰化しています。

 これでもう大手を振ってアメリカへ行き、トニーと結婚できるというわけです。トニーに連絡すると、彼の乗る船が近々韓国に立ち寄るという。じゃあまずは韓国で落ち合おう、ということになりました」

 韓国行きのチケットも買い、あとは出発を待つだけだった。アメリカでトニーと結婚し、そこで新たな生活が始まると信じていた。

「出発が間近に迫ったある夜のことです。突然具合が悪くなり、病院に駆け込んだらA型肝炎と診断されました。どうやら前日に食べた牡蠣が原因だったようです。立っているのすらつらく、そのまま入院することになりました。

 パスポート持参で病院に行ったものの、韓国には行けなくなってしまった。けれどトニーに伝えようにも、携帯もパソコンもない時代で、すぐに連絡する手段がありませんでした。トニーとは釜山の観光案内所の前で落ち合う手はずになっていました」