配役にも厳しい目

 3位の『アトムの童』('22年10月)は山崎賢人主演のゲーム業界を題材にしたオリジナルストーリー。

 敵役だった香川照之が直前に降板し、オダギリジョーに代わるというハプニングがあったが、「悪役が食傷ぎみだった香川さんより、新進気鋭のIT企業社長役はオダジョーのほうがぴったりだったのでケガの功名でした」とカトリーヌさん。

 では、何が駄目だったのかというと、「せっかくゲームという目新しい題材だったのに、手あかのついたような物語だった」(京都府・39歳)から。

「若い主人公で新しい『日曜劇場』が見られるのかもという期待があったのに、内容的には町工場をいじめる大企業みたいないつもの感じになっちゃった。そのがっかり感はありました。あと、登場したゲームがあまり面白そうじゃなかった。ドラマでそれを求めるのは酷なのかもしれませんが、もう少しリアリティーも欲しかったです」(カトリーヌさん)

 新機軸を打ち出したいが、新しくしすぎると視聴者層とのギャップが生じる。そのジレンマがあるのかもしれない。

 4位の『テセウスの船』('20年1月)はタイムスリップした主人公(竹内涼真)が大量殺人犯として服役中の父の無実を晴らすべく奮闘するサスペンス。人気漫画が原作だがドラマでは犯人を変えている。

「真犯人の動機が納得いかなかった」(鹿児島県・47歳)、「途中までは面白かったのに最後の犯人の演技が……」(東京都・52歳)など改変部分への不満がほとんどだった。

「いわゆる考察モノで内容的にはとてもよくできていたと思います。がっかりの理由は“真犯人”に尽きます。原作を知っていても謎解きを楽しめるように変えたのだと思いますが、緻密に作られたミステリーの犯人を安易に変えるのは一番やっちゃいけないこと。しかも真犯人役の霜降り明星・せいやさんの演技が、さらにがっかり感が増すことに(笑)」(カトリーヌさん)

最終回が残念だったという声も複数寄せられた『テセウスの船』(写真は番組HPより)
最終回が残念だったという声も複数寄せられた『テセウスの船』(写真は番組HPより)
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 そして、綾野剛がスポーツマネージメント会社に転職した元サッカー選手を演じた『オールドルーキー』('22年6月)が5位にランクイン。

「スポーツに詳しくないのであまり楽しめなかった」(愛知県・55歳)と題材が視聴者を選んでしまった感がある。

「サッカーワールドカップとWBCを終えた今ならもっと話題になったはず。放送時期が悪かったですね。あと、スポーツマネージメントの裏側を描くことに徹すればよかったのに、途中から社内のごたごたがメインになってしまったのも減点理由かな」(カトリーヌさん)