このあたりから彼女は、オタク的感性を活かし、飛躍していく。
'07年には『NHK紅白歌合戦』にAKB48、リア・ディゾンとともに「アキバ枠」として出場。'15年には彼女の原案によるアニメ『おまかせ!みらくるキャット団』(NHK Eテレ)が放送された。勉強も運動も苦手な小学生・ポコタンが、魔法の力を持った猫たちに助けられながら奮闘する物語だ。
猫に魔法の力を授けたのは、ヨミヨミランド(天国)にいる父・赤川夏彦、という設定。父を拒絶しつつも助けを求めていた少女期の屈折をフィクションに昇華させたわけである。
フィクションと現実から“学ぶ”
ちなみに、彼女は最近も大事な存在を失った。2月に仲良しのアニソン歌手・黒崎真音さんが35歳で病死。3月には愛猫の一匹だったメポが5歳で病死した。
それぞれに対し《いまだに連絡してしまう。既読にならないのわかってるけど》《こんな悲しいことはない(略)魂が半分ちぎれたみたい》と悲痛な思いを吐露している。
ただ、この流れが結婚へと後押ししたのかもしれない。相手男性のことをいっそうかけがえのないものに思えたのではないか。
オタクに恋が難しいのは、フィクションと現実がこんがらがりやすいからだろう。しかし、フィクションからも現実からも学ぶことで人生をより充実させることができる。しょこたんの結婚は、そんなことを教えてくれるようだ。
ほうせん・かおる アイドル、二次元、流行歌、ダイエットなど、さまざまなジャンルをテーマに執筆。著書に『平成「一発屋」見聞録』(言視舎)『平成の死 追悼は生きる糧』(KKベストセラーズ)。