安心に暮らすには仕事あり、地震なし県
人生100年時代となった今、できれば適度に仕事を続けて収入を得られれば御の字。そこで失業率の低さを見ると、福井県が1位となっている。女性の就業率も7割超えと高く、こちらも堂々の1位。
「福井県はもともと繊維業が盛んで、担い手の多くが女性だったという歴史が影響していると思います」
これらのことを考えると、女性にとっては家族や世間の理解や協力が得やすく、自分らしい人生を送りやすいといえそうだ。
また、幸せに暮らすためには地理的な要因も見逃せないと八幡さんは指摘する。
「例えば地震。南海トラフ地震が想定されていますが、被災が予想される地域にすすんで住みたい人はいないでしょう。高齢になったら、なおさら。地震が少ないというのは安心して暮らせる大きな条件になると思います」
五感をフル活用して趣味を楽しむ幸せも
このほか、興味深いランキングに「音楽好き」「サイクリング好き」があるが、自分の身体をフルに使って感じ、楽しむことができるプリミティブな趣味を持つことは、幸せで元気な長寿を支えてくれる。
これらのランキングの下位を見ると、どちらにも青森が入っているのが平均寿命との関係を考えるうえで興味深い。
さまざまなランキングを総合し、八幡さんと編集部が幸せに長生きできる県として選出したベスト3は、「福井県」「滋賀県」「長野県」という結果に。
「福井県は平均寿命が男性7位、女性19位と比較的長く、豊かな自然もあり、地震も全国4番目の少なさ。前述のとおり、女性の生きやすさでは全国トップクラスだと思います。
滋賀県、長野県は食生活や運動習慣があって健康に長生きしている高齢者が多く、社会参加も盛んです」
これらの県は音楽やサイクリングといった趣味のランキングでも比較的上位にランクイン。まさに、健康で生き生きした暮らしが実践できるというわけだ。
「青森県や秋田県あたりはアルコール摂取量、喫煙率が高く、他県と比べると寿命も短いのがやはり気になります。北国は自然条件も厳しく、あまり楽天的な気質が育たない傾向があるのかもしれません。
音楽好きなど、文化的なテーマで上位にランクインしていないのもそのあたりに要因があるのかも」
なお、青森県は短命県を返上すべく、現在、県を挙げて健康啓発活動を実施している。
幸せに人生を終えるには、健康寿命と生きがいがあってこそ。たとえ、今の土地に住み続けるにしてもこれは肝に銘じたい。いや、もしかしたら、思い切って人生の後半を別の土地で生きてみるのもいいのかもしれない……。
週刊女性編集部&八幡氏が勝手にランキング
幸せに死ねる県はココだ!
〈1位〉福井
〈2位〉滋賀
〈3位〉長野