こうした中、メンバー3人はすぐさま「二重契約」を否定。そして、「外部勢力の介入という主張はアーティストの正当な権利行使という本質を回避し、さらには世論をごまかそうとするものでしかない。アーティストをそう見るSMの視覚が晒されたようで惨めな気持ちだ。十数年疑問を抱え、新人の時は口にすることすらできなかった問いを長い時間が過ぎた今からでもしなければという気持ちから、こんなふうにおそろしく、つらくとも勇気を出した」と訴えた。
5日、メンバー3人側が続けざまにSMを公取委に提訴した。「公取委がSMへ過去に命令した是正勧告がまったく反映されていない、不公正な契約書を締結することになりSMの『取引上地位乱用行為』により持続的に被害を受けた」と主張。「2007年10月と2011年1月、SMを相手に公取委は是正命令を出したにもかかわらず、該当の是正命令を無視した不公正な契約行為がSMで堂々とまかり通っていた」と説明している。
今回の訴訟のポイントは3つ
今回の提訴のポイントは、「デビュー前に契約した専属契約の期間の起算点をデビュー日に設定」「同業界の他の事務所と比べ長い契約期間」「海外進出などの事由により延長契約期間が適用されている」の3つに絞られる。
EXOの場合は、公開された資料によると、海外で活動する場合は専属契約期間を3年間延長するとされており、昨年末の再契約の際の契約期間(5年)には但し書きがついていた。
それは、「期間内に定められた最少数量のアルバムを発表できない場合はこれを履行する時点まで本契約を自動的に延長することとする」というもので、延長期間には上限も設けられていなかった。3人のメンバーはこうした条項により最大17〜18年の不公正な専属契約になると主張している。これが公開されるとメディアやSNSの間では「奴隷契約」という言葉が飛び交った。
そもそも「奴隷契約」はSMが所属アーティストと契約で揉めたことから生まれた言葉だ。SMは所属アーティストとの間にこれまでも契約上の問題がたびたび明るみに出ている。
「奴隷契約」という言葉が登場したのは2002年。この前年、韓国にアイドルという存在をもたらし、中国で「韓流」という言葉を生み出した当時のトップアイドル、「H.O.T.」(5人組のボーイズグループ)が契約問題でSMと争った。