大谷の英語力はアメリカでどのように思われているのだろうか。現地で取材をする梅田香子さんに話を聞いた。
「日常会話程度であれば問題ないです。チームメートで大谷選手と仲のいいフレッチャー選手に大谷選手の英語力について聞いたところ、理解力は90点で話すとなると50点くらいだから、間を取って、トータルで65から70点くらいと言っていました。また、エステベス選手は日本のアニメが好きなので、大谷選手によく話しかけていますね。
最近は『ONE PIECE』の最新話をエステベス選手が大谷選手におすすめして、盛り上がっていたようです。エステベス選手はドミニカ出身で、公用語はスペイン語のため、英語が得意ではないのですが、大谷選手とは英語で会話していますね」
通訳は「必要な存在ですね」
日本にいるときから英会話を勉強していた大谷。上達具合はどうなのか。
「昨年のオールスター前のインタビューでは英語で長々と質問されていましたが、しっかり理解して答えていました。スポーツ選手は反復練習を嫌がらないですし、集中力もあるので、語学の上達は早いです。大谷選手もコツコツ勉強するタイプですが、ほかの人にはそうした努力を見せないタイプですね。早いペースで上達しているので、このままいけば、1年後くらいには通訳なしで会見ができるくらいにはなると思います」(梅田さん、以下同)
となると、水原通訳との掛け合いも見られなくなる可能性も……?
「大谷選手は今後も水原通訳と組み続けると思います。水原さんは、とても優秀な通訳で、野球の知識もありますし、大谷選手の意図をくみ取って、英語にうまく翻訳してくれます。自分の思ったことを、しっかりと伝えるためにはやはり必要な存在でしょう。
また、キャッチボールの相手を務めたり、オフシーズンのトレーニングに付き合ったり、スケジュール管理をしたりするなど、通訳以外の部分でもサポートをしてくれるので、大谷選手は水原さんをとても大事にしています。WBCのとき、“通訳はいらないんじゃないか”と英語で質問され、“必要ですね”と英語で答えていましたね」
文武“二刀流”の大谷。野球だけでなく、頭脳の通信簿も“Sランク”のようだ。
梅田香子 スポーツライターとして、野球以外にもフィギュアスケートやバスケットボールなど多くのスポーツに精通。現在はアメリカに在住し、大リーグを中心に取材活動を行う