目次
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ー 余命は「短ければ1か月」
Page 2
ー 何を食べるかより「食べ方」が重要
Page 3
ー 「食と命は切り離せない」

 岸田内閣の施策のひとつに挙げられたということもあり、近年、一気に注目を集めている「リスキリング」。大人になってから、自分のスキルを高めたり、新しい知識を得るための“学び直し”を指すが、タレントの水野裕子さんも過去にリスキリングを実践した一人。国家資格である管理栄養士の資格取得を目指して、30歳になる節目の年に大学へ入学した。

余命は「短ければ1か月」

 彼女の学び直しのきっかけは、家族のがん。「(栄養や食事について)きちんとした知識を持っていれば、早期に異変に気づけたかも」と、今でも悔やみきれない思いを抱えてのことだった。

 がんを発症したのは、幼いころから母娘のように過ごし、水野さんが第二の“ママ”と呼んでいた伯母。異変に気づいたのは、久しぶりに一緒に行った温泉旅行だった。「痛みはないけど、何か硬いものがあるんだよね」と話す彼女のみぞおちあたりを見ると、不自然な突出があった。

「すぐに検査をすすめました。結果は、末期のスキルス胃がん。すでに胃のすべてががんになっているような状態でした」(水野さん、以下同)

 検査後すぐに胃の全摘手術を行ったが、医師から余命は短ければ1か月、長くても1年だと宣告された。

「摘出した胃を見せてもらったら、握りこぶしほどのカチカチの塊でした。そのころ“ごはんがあまり食べられない”と言っていましたが、この胃では食べられるはずもない。どうしてこんな状態になるまで……と、ショックでした」

 それと同時に、胃がんが見つかる10年ほど前、「最近、ダイエットに成功したの」とうれしそうに話していた伯母の姿を思い出した。