鳥羽氏がドキュメンタリーでみせた葛藤、妻の本音
“あの映画”、というのは今年の4月から公開されている鳥羽シェフを追ったドキュメンタリー映画『sio/100年続く、店のはじまり』。4月21日から東京・池袋と吉祥寺、5月26日福岡の天神、そして7月7日からは愛知の刈谷で劇場公開される。最初に不倫報道が出たのが6月8日。騒動が起きてから映画が公開されるのは愛知が最初で、最後の公開地になる。
同作は“より多くの人に美味しいを届け、「幸せの分母を増やす」ために”奔走する鳥羽シェフと、その周囲の人間を、2021年1月から1年間密着したドキュメンタリー。作品のホームページのイントロダクションの項には《時代のトップランナーに駆け上がっていく鳥羽シェフと急拡大するsioグループ。だが、速すぎる成長と大きすぎる鳥羽という存在は、共に働くスタッフたちに軋みと迷いをもたらし、一番身近な家族を取り残していく》と書かれている。ある映画ライターによれば、
「鳥羽さんがビジネスを拡大するなかで、家庭のことは後回しになっていたことなども包み隠さず描かれています。そして、密着の過程で鳥羽さんのご両親や奥さん、子どもたちも出演。自宅で食卓を囲むシーンなどもしっかりと顔出しで描かれてしまっているんです。
仕事とプライベートに揺れる鳥羽さんの葛藤もしっかりと描かれるなか、それを支えた奥さんのインタビューシーンもありました。“子どもが小さい時期は今だけなので一緒に見られたらいいな”と、多忙を極める鳥羽さんへの“本音”が漏れるシーンもありましたよ。家族もガッツリ映り込んでしまった映画を公開するかについては色々話し合いもあったそうですが、結局、愛知でも公開されることになったみたいです」
先の『文春』の取材で、鳥羽氏は広末と恋に落ちるきっかけについて、今年の3月に彼女がママ友と『sio』を訪れてくれたことを挙げている。過去に雑誌の対談で一緒になって以来、2年ぶりの再会である。そこで、こんなやりとりがあったのだという。
《映画のコメントをお願いすると、すぐに映画を観てくれ、ちゃんと観ないとわからないようなコメントをしてくれて、すごく好感を持ったのは事実です》
皮肉にも広末と鳥羽氏を急接近させることになったこのドキュメンタリー、すでに公開されている作品だが、次の愛知は“不倫報道”を受けたあと。製作者の意図も演出の意味も全く別物に変わってくるだろう。そして、鑑賞する者たちの目に鳥羽氏の家族はどう映るのか。
映画に向けて広末が出したコメントは、今も作品のホームページの一番上に掲載されている。
《大切なのは、ハングリー精神かサービス精神か? 正しいのは、性善説か性悪説か?"ひとのために"頑張れる人が何より強い。日本が美味しい笑顔で溢れている原点を垣間見ました。世界に誇れる"おいしい"に、きっとあなたも立ち会えます》
人間は生まれながらにして善人なのか、それとも──。