「パレードやデモをする人は、基本的には強い思想を持っているケースが多い。セクシュアルマイノリティーの中では、特にゲイとレズが比較的、強い思想を持つ傾向にあると思います。多くはその承認欲求の高さが根本にあって、社会的に認められたい気持ちが強く、結婚や就職など現行の制度に対して言いたいことがある。自分たちの性の権利を訴えている人々が、その表現方法として、自分を認めてほしいという気持ちから、自分の身体を直接的にアピールするようになったのでしょう」(精神科専門医、以下同)
不本意なイメージの一因に
一方、LGBT法案に反対するイタリアの女性首相、ジョルジャ・メローニ氏が、ベビーカーを押しながらパレードをする「ファミリープライド」を推進するような動きもある。
「プライド・パレードを見た人や知った人が、セクシュアルマイノリティーについて考えるきっかけになるのはもちろんいいことだと思います。また、心理的・精神的な側面で当事者に寄り添う意味でも、そういった表現をしていないと自己を保っていられないところもあるのだから、パレード自体はもちろん認めてあげなくてはいけない。ただ、脱いでいるから何? 本当に脱ぐ必要ある?と周囲が思ってしまうのも当然わかります。
また、テレビのバラエティー番組などに登場するセクシュアルマイノリティーのキャラクターの描き方や立ち振る舞いなどで、誤解されて変なイメージがついてしまっている。プライド・パレードでの度を超えた露出なども、セクシュアルマイノリティーに対してそういう本意ではないイメージをつけてしまう原因の一つになりうると思います」
われわれは、ホモ・サピエンス。誇りを胸に堂々と歩いていく、のはいいけれど。