芸能人がSNSでファンとやり取りするのが当たり前になり、「会いに行けるアイドル」が人気になったころから、業界内では「芸能人が身近な存在になり、大物がいなくなった」と言われていました。週刊誌やネットメディアの現場でも、「スキャンダルを報じても大きな反響を得られそうな芸能人が少ない」と言われ続けていただけに、広末さんの不倫騒動は「ひさびさの大ネタ」として扱われているのです。
また、最近は不倫騒動でも、よほど優等生のイメージで活動していた芸能人ではなく、その内容が下劣なものでなければ、「瞬間風速的に断罪されておしまい」というムードがありました。
その点、広末さんは独身時代からたびたび恋愛や夜遊び、撮影現場での奇行などが報じられた奔放なタイプの芸能人。「歌手業と大学をやめて女優業に専念する」としながら、数カ月後に結婚と妊娠を発表しました。さらに離婚の2年後に再婚したときも妊娠していたなど、「ヒロインを務めた『できちゃった結婚』(フジテレビ系)と同じ」「イメージ通りで以前からずっと変わっていない」などと言われていました。
斉藤由貴はいいのに広末はダメなのか
再婚後も不倫疑惑が報じられたことがあったため、今回の不倫騒動でも「あの広末涼子さんが不倫するなんて」と思った人は少ないのではないでしょうか。つまり、業界内はもちろん世間の人々の間でも、「広末涼子は変わっていない」という見方が大勢を占めているのでしょう。
今年2月にダウンタウン・浜田雅功さんの「パパ活不倫」が報じられましたが、謹慎や降板などのネガティブな対応はなく、騒動は広がらないまま終了しました。また、28日に生放送された「テレ東音楽祭2023夏」(テレビ東京系)に、例年司会を務めていた広末さんの姿がなかった一方で、過去に3度の不倫が報じられた斉藤由貴さんが出演。ネット上には「斉藤由貴はOKなのに広末涼子はダメなのか」などの声があがっていました。
ポイントは世間の人々に、「この人はこういう人だから、まあいいか」などと印象づけられるかどうか。さらに言えば、スキャンダルを肥やしにして、本業での面白さやすごさにつなげられるかどうか。浜田さんと斉藤さんはこれができているから人々からのバッシングを受けず、仕事を失わずに済むのでしょう。
広末さんの不倫騒動が報じられたとき、昨年6月に出演した「突然ですが占ってもいいですか?」(フジテレビ系)での占いと発言が注目を集めました。占い師の星ひとみさんから、「恋に落ちると3日3晩求愛ダンスを踊るタツノオトシゴの星。とにかく2人で愛を求め合う」などと言われた広末さんは、「好きだったらもうそれでいい感じです。自分の好きなことが幸せだから。何なら別にうまくいかなくても、好きであることが楽しくて」などとコメント。ここでも「イメージ通りの広末涼子」であり、恋愛の現役でありそうなところも含めて、今回の不倫騒動につながるニュアンスがありました。
もちろん不倫が事実である限り、それなりの拒絶反応はあるでしょうし、もし略奪再婚のような形になったら、さらなる批判を受けるかもしれません。しかし、これらの風潮や反応を見る限り、広末さんは今後よほどの問題行動がなければ、すべての仕事を失うことはなさそうです。