「私が『プライバシーを侵害された』と裁判で主張したら、三浦(瑠麗)氏は『(あなたは)ただのサラリーマンに過ぎないし、知名度もないんだからなんの害もないでしょ。プライバシーの侵害を訴えているのは過剰な被害妄想に過ぎない』という趣旨の反論をされたんです。そこでピリッときて、すべてを賭けてでもこの裁判を闘い抜くと決意しました」
スーツケースいっぱいに詰め込まれた裁判資料を拡げながら、テレビ朝日の社員である西脇亨輔氏は、国際政治学者・三浦瑠麗氏に勝訴した裁判を回顧する。
三浦瑠麗に「離婚係争中」の事実を晒された
三浦氏といえば、'23年3月7日に夫・清志氏の業務上横領の罪による逮捕で、世間を騒がせている。そんな身内騒動の最中である同月27日、三浦氏は西脇氏との裁判にひっそりと敗訴していた。
一体、三浦氏が抱えていた裁判トラブルとは。そして法廷で闘った西脇氏が語る三浦氏の素性とはーー。
三浦氏と西脇氏をめぐる裁判の発端は、'19年4月15日に遡る。同日に週刊ポストが報じた、元テレビ朝日アナウンサーの村上祐子氏の不倫記事から始まった。当時、『朝まで生テレビ!』でMCを務めていた村上氏は、同局に勤める元夫・西脇亨輔氏と別居中で、NHKの記者と同棲しているとスクープされたのだ。
報道を受け、テレビ朝日は、村上氏の『朝まで生テレビ!』の出演見合わせを決定。この一連の流れについて、同番組に定期的に出演していた三浦氏がツイッター上で疑問を呈したのだ。
《そもそも何年も別居し離婚調停後、離婚訴訟係争中の人を不倫疑惑とする方が間違い。(中略)村上祐子さんを朝まで生テレビから下ろすべきではない》(‘19年4月23日のツイート)
《週刊ポストは村上さんの相手が破綻事由でないことも、離婚訴訟中であることも知ってて敢えて隠して不貞行為のように書いたでしょ》(‘19年4月25日のツイート)
この2つのツイートに対して、「プライバシー権の侵害」だと訴えたのが西脇氏だった。
「元妻との離婚調停は'18年から続いていましたが、職場内結婚ということもあり、波風を立てる事なく慎重に進めておきたかったんです。しかも当時は『週刊ポスト』のスキャンダルが出たばかり。精神的にも弱っているなか、三浦氏の配慮に欠けたツイートにより、我々夫婦が離婚係争中であることを晒される形となりました」
当時、約17万人のフォロワーを抱えていた三浦氏の発言は、瞬く間に拡散されていった。ツイートはネットニュースとなり、リプ欄には西脇氏を攻めるコメントが集まった。