メニエール病で引退を考えたことも
音楽と真摯に向き合ってきた岡本だが、2010年ごろにメニエール病を発症し、音楽活動に支障をきたす。
「ある日、めまいで起きられなくなって、低い音も聞きづらくなりました。声も出なくなり、レコーディングもできなくなって『このままでは引退するしかない』と覚悟したんです」
ちょうどそのころ、中国・上海万博のPRソングが岡本の『そのままの君でいて』の盗作であることが判明し、日中で大騒動となる。
「『そのままの君でいて』は、恋愛に悩んでいた高校時代の親友を励ますために作った歌でした。私の『歌手になりたい』という夢を応援してくれたファン第1号が彼女で、彼女のために作った曲をとても喜んでくれたのを覚えています」
盗作騒動はワイドショーでも報道され、おかげで『そのままの君でいて』が改めて注目を浴びた。リリースから13年たってシングルチャートのトップ10入りを果たすという快挙も成し遂げた。
「その親友は26歳の若さで他界しています。私が病気で引退を考えているときに、『そのままの君でいて』が突然ヒットしたので、『彼女が天国から応援してくれているに違いない』と感じました」
岡本は引退を思いとどまり、その後、メニエール病は完治した。
「私がダウンすると、周りのスタッフにも大きな迷惑をかけてしまう。メニエール病はストレスによって再発する可能性があるので、ストレスをためないことを心がけるしかありません」
2013年には卵巣にチョコレート嚢腫が見つかり、翌年に手術を受けている。
「私は痛みに強いほうなんですが、下腹に我慢できないほどの激痛が走るようになったんです。検査を受けると右卵巣にチョコレート嚢腫があると診断され、直径7センチまで大きくなっていました。ライブが控えていたので、スケジュールが一段落ついた時期に手術を受ける予定でしたが、手術予定日の1か月ほど前に、かつてないほどの激痛に襲われて……。朦朧とした中、病院へ到着して検査してもらうと嚢腫が破裂していて、緊急手術に。いろいろと不調が出てくる年齢になったので、無理をしないよう気をつけています」