その結果、SHAZNAは見事に社会現象を巻き起こした。しかし、それはIZAMが望んだ状況ではなかったという。

音楽で活動し続けるのは厳しくなるだろう

『これはまずい、すぐにSHAZNAは終わってしまう』と思いました。僕はミリオンアーティストになりたかったわけではないんです。やはり役者になりたかったし、そのためにも、手堅いファンがずっと応援し続けてくれる20万~30万枚の売り上げを維持し続けるアーティストになりたかったんですね。

 あと、社会現象を起こしていたSHAZNAのアルバムが150万枚しか売れなかったのもまずいと思いました。当時、GLAYのアルバム売り上げは500万枚でした。あのころのSHAZNAの状況だと1000万枚はいってないといけないはずなのに、そうはならなかった。『音楽で活動し続けるのは厳しくなるだろうな』と思いました

 彼の視点は絶えず冷静で、俯瞰的だ。

 現在のIZAMが最も力を入れているのは、ライブ配信アプリ『Music Champ』での生配信である。火~日曜は昼の帯番組でMCを務め、月曜夜にも生放送を配信中。いわば、週7で稼働するIZAMにとってのホームだ。

「昨年は、自分が主宰する劇団がコロナで公演を打てなくなったり、年齢を重ねたことも身にしみたりして、かなり悩んでいた時期でした。20年以上付き合いのある顧問弁護士さんに『そろそろ表舞台に立つことはやめて、次世代の若い人を育てる側に回ろうと思っている』と話したら、『いや、まだ現役でやってよ。紹介したい人がいるから』と、紹介してくださったのが、こちらのMusic Champの親会社であるイノセントミュージックの社長さんでした。

 しかも『2023年がソロデビュー25周年ですか。ならば記念のアルバムを出しましょう』と言ってくださり、制作に取りかかったんです」

 このソロアルバムを認知させ、1枚でも多く売る、という目標もできた。同アプリの配信では、IZAMのニューアルバムのキャンペーンが毎日のように展開中。さらに、8月26~27日にかけては26時間の生番組も配信される。

もう、この年で『ええっ』って感じですよ。でも、年代が違う人たちと一緒に作り上げていることがとても楽しい。26時間生放送では、グランドフィナーレの手前あたりでSHAZNAの生配信ライブを行う予定です。楽しみにしてほしいですね