高校卒業後、立浪部屋に入門する。しかし、こんなエピソードも。
「当時は朝青龍がトラブルで角界を去って間もないころ。そんな彼の甥ということもあり、入門を渋る部屋がほとんどだったそうです。そんななか、弟子入りを許したのは現役時代から朝青龍と親交があった立浪親方だった。しかも、外国人力士の所属は各部屋1人。朝青龍も豊昇龍も、立浪親方に絶対の信頼があるわけでしょう」(同・スポーツライター)
大相撲の場所中の懸賞旗でもおなじみの、高須クリニック院長の高須克弥さん(78)は、豊昇龍との交流についてこう話す。
「僕はもともと叔父さん(元朝青龍)と仲良しで、朝青龍から常々『甥っ子をよろしく』と言われていました。だからいつもたくさん懸賞金を出しているんです。化粧まわしも、大関昇進のお祝いのつもりで作ったんですが、名古屋場所の活躍ぶりがあまりにも素晴らしいので、大関になる前に渡してしまいました。結果、見事に大関昇進を果たしてくれた。
また、以前から魚より肉が好きだと言っていたので、優勝が決まりそうになったときに名古屋市内から車で片道3時間かけて飛騨牛1頭を買いつけに行きましたよ。プレゼントを伝えたら、『牛1頭なんてうれしいです。早く食べたいっす』と喜んでくれてうれしかったですね」
好角家としての見解も語る。
「彼の相撲は勝ちにこだわり、粘り強く、珍しい手も繰り出す。ずるいところがある、なんて評する人がいるけど、とんでもない。賢い力士だと思います。相撲で勝つために頑張るという姿勢は叔父さんにそっくり。でも、まだ子どもっぽくて愛嬌がある。素直に喜びの感情を出すのがいいね。
今回は本当に頑張ったし、僕も喜ばせてもらったから、実は化粧まわしをもう1つプレゼントしようかとも考えているんです」