は少量なら身体にいい

 は飲み方次第で毒にも薬にもなるとは昔からよく聞く話。だが、最近では、少ない飲でも健康リスクがあると、放射線科医で医療ライターの松村むつみ医師は言う。

「以前は、少量の飲は心疾患のリスクを下げるといわれていたのですが、最近では『安全な飲量は存在しない』というのがWHO(世界保健機関)、アメリカ疾病予防管理センターなど公的機関の見解です。

 発がんに関しては少量でも起こることがあり、乳がん、口腔がん、咽頭がん、食道がん、肝臓がん、大腸がんと関連があるといわれています」(松村医師、以下同)

 適量であれば害はないという考えは、もはや過去のもの。

「これまでアルコール性肝障害は、1日に純エタノール60g以上を摂取すると起こりやすくなるといわれていました。これにより、1日あたり500mlビール2〜3本が適正量の目安だったのですが、発がん性などの観点から最近はもっと少ない量でも注意が必要との見解が一般的です」

赤身肉はヘルシーなうえダイエット効果あり

 お肉をお腹いっぱい食べることでダイエット効果が得られると、最近注目されている肉食ダイエット。夢のようなこの方法にも、意外な落とし穴が。

「肉の中で特に注意が必要なのは、赤肉と呼ばれる牛、豚、羊と加工肉です。実は国際がん研究機関で赤肉は『おそらく発がん性がある』というグループに分類されており、主に大腸がんのリスクを上げることが知られています」

 では、どのくらいまで食べていいのか。

「各機関の見解を総合的に見てみると、1日の摂取量は、赤肉・加工肉を合わせて70g以下(うち加工肉は50g以下)を目安にするといいでしょう。

 2日に1回ステーキや焼き肉を食べている、もしくは朝食で毎日ソーセージを2〜3本食べている人は、目安以上に赤肉や加工肉を食べていることになるので、減らしたほうがいいでしょう」 

「赤身肉はヘルシーなうえダイエット効果あり」は×(イラスト/伊藤和人)
「赤身肉はヘルシーなうえダイエット効果あり」は×(イラスト/伊藤和人)
【グラフ】乳製品の摂取頻度で悪玉コレステロールが上昇!

ゼロカロリー甘味料はダイエットのベストチョイス

 カロリーや糖類をコントロールしながら甘さを味わえるゼロカロリー甘味料。ダイエット飲料などに広く使われていて、味が同じならカロリーゼロのほうを選ぶという人もいるのでは。

「実は今年、ゼロカロリー甘味料には、体脂肪を減少させる効果が見られないばかりか、長期的に摂取すると2型糖尿病、心血管疾患など、身体に何らかのよくない影響を及ぼす可能性があるという見解を、WHOが発表しました」

 ゼロカロリー甘味料は、ダイエット効果が期待できないばかりか、健康被害まで招く可能性があるとのこと。“甘い話には裏がある”とはまさにこのこと。

「女性もしくは肥満のある人は、人工甘味料を摂取すると食欲が増す可能性があるとの研究結果も。人工甘味料の大量摂取は要注意です」

筋トレは追い込まないと効果なし

 筋肉を鍛えるためには、激しいトレーニングで自分の限界までやる必要があると考えている人もいるだろう。だが、トレーナーの坂詰真二さんは、「その考えが思わぬ事態を招く」と注意を促す。

「筋トレを極限まで頑張ってしまうと、最後1〜2回は息を止めた状態でトレーニングを行うことになります。息を止めて力むと血圧が急上昇し、血管にダメージを与えてしまう。損傷した血管はどんどん硬くなり、動脈硬化の原因にもなってしまいます」(坂詰さん、以下同)

 では、そうならないための目安は?

「筋トレの目安として、『あと1〜2回くらいできる』程度でやめることが大事です。余力を残した負荷と回数であれば、リスクなく身体を鍛えることができます」