6月にトレードで加入したマイク・ムスタカス選手のデビュー戦では、6歳年上のムスタカスと握手をすると、そのままハグするというシーンもあった。そうした新しい仲間への気遣いもあるという。
「ベンチではトレードで加入してきたばかりの選手の隣に座って、よくコミュニケーションを取っています。これまでの日本人メジャーリーガーはベンチでは端のほうにいることも多かったのですが、大谷選手は新加入の選手に早くチームに溶け込んでもらおうと、積極的に話しかけていますね」(梅田さん、以下同)
動物にも“コミュ力”発揮?
こうして話しかける行動には、ある思いがあるようだ。
「自分がリーダー格だという自覚があるのだと思いますね。現在、エンゼルスはプレーオフ進出を狙える位置にはいますが、微妙な順位。球団も大谷選手を残留させて、トレードで補強し、今年は本気でプレーオフを狙うという熱意を感じます。大谷選手にとってもエンゼルスに来てからいちばん充実しているからこそ、チームを引っ張ろうと盛り上げているのだと思います」
大谷の“コミュ力”は人間以外にも……。
「通訳の水原さんの飼っている犬も可愛がっているみたいです。水原さんがよく車に乗せて連れてくるそう。ピッチャーは万が一、指をかまれたら投球に支障が出るため、犬を嫌う選手も多いですが、大谷選手の場合は気にしていないようですね」
反対に大谷が“猫”になったこともあった。
「6月に、メジャー13年目で34歳のエスコバー選手がトレードで加入してきました。エスコバー選手は猫が大の苦手。写真や映像、ぬいぐるみなども含めて嫌いのようです。
そんなベテラン選手に対して、大谷選手はウォーミングアップのときやホームランを打った後に、手首を曲げて“猫ポーズ”を本人の目の前で行っています。この行動に猫嫌いのエスコバー選手も思わず“おもしろい”と笑っていましたね」(前出・スポーツ紙記者)
野球での偉業だけでなく、こうした“人たらし”な部分が世界で愛される要因なのかもしれない。