教育系もランクイン
ひと昔前なら“定番”だった「運転手・パイロット」「ショップ店員」「教師・教員」などは、中高生ともに下位ながらランクインしている。
「この年代の子どもたちは、コロナ禍でさまざまな制約の中、生活してきました。そこで飲食店やショップ、航空会社などが壊滅的な打撃を受けたのを目の当たりにしています。それでも根強い人気があるのはさすが“定番”です。
私がうれしかったのは、教師や保育士になりたいと思う子どもがいてくれたこと。給料が安いことや、業務のハードさが報じられても人気があることは驚きです。政治もこういった分野の賃金などのフォローをしていけば、人手不足にはならないのでは」
働く大人の背中を見て、自分の将来を重ねる子どもたち。物価高騰や非正規雇用の問題で、生活苦にあえいでいる姿を目の当たりにすれば、仕事に対して“夢”ではなく“現実”を反映するのは当然なのかもしれない。
「今は社会の雰囲気が悪いですよね。大人が先導する将来の先行きも見えませんし。そんな“夢では食べていけない”と子どもたちに思わせる社会は悲しすぎませんか?
安定を求めるだけではなく、子どもたちが憧れの職業に挑戦できる世の中であってほしいですね」
世情を敏感に感じ取る子どもたち。彼らが本当に就きたい職業を目指せる社会は、いつやってくるのか─。