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ー 時東ぁみにとって“不妊治療”
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ー 病院に不信感を抱いて他の病院を探すことに

 

 昨年から少子化対策の一環で不妊治療の保険適用も拡大し、受診者数は増加傾向だという。不妊治療はもはや特別なものではなく、多くの著名人も公表しているが、今回はその中のひとり、元アイドルで今はタレントの時東ぁみさん(35)に話を聞いた。

時東ぁみにとって“不妊治療”

「振り返ってみると、楽しい不妊治療でした」

 そう語るのは時東ぁみさん。29歳で12歳年上の夫DAISHI(47)と結婚し、半年後に不妊治療を始めたという。

「最初は“結婚=出産”くらいの気持ちで、すぐに妊娠できるでしょと思っていたんです。でも半年頑張ってもできなくて。夫が年上ということもあり、すぐに治療をスタートしました。焦りすぎかなと感じる部分もありましたが、結果的には早く始めてよかったです」

 治療をスタートした当時、時東さんが20代ということもあり、人工授精に6回トライできた。これはかなり多い回数なのだそう。

「スタートする年齢によっては、人工授精は1回〜2回しかトライできず次のステップに進む方もいらっしゃる中、病院が私たち夫婦の気持ちを優先し、チャレンジさせてくれました。精神的に追い詰められなかったので、私にはすごく合っていました」

 人工授精は保険適用外のころに治療しても1回3万円程度だが、体外受精は1回約50万円と一気に高額になってしまう。さらに体外受精が決まると、胎内の卵子を育てるために排卵誘発剤やホルモン剤などの薬を使うため、毎日決まった点鼻薬をさしたり、自己注射を打つ必要が出てくることも。大変な治療の中、つらい気持ちになったときには生まれてくる子どものことを考えていたという。

「気分が暗くなったときに心がけていたのは、自分が赤ちゃんだったらどんなおうちに行きたいかを考えること。誰かのことを羨んだり、お母さんがメソメソ泣いて暗いおうちだったら、赤ちゃんだってやっぱり行きたくないだろうなって。いつもハッピーなお父さんとお母さんのほうが、行きたくなるよねって」

 そしてもうひとつ、時東さんの精神的な余裕の理由は、協力的な夫の存在だった。

「夫は普段からすごくポジティブなタイプ。不妊治療にも『こんな経験なかなかできないんだから、せっかくだから楽しもうよ』という前向きな姿勢で一緒に取り組んでくれました」

 最初に病院に行ったときに、夫側の喫煙はやめたほうがいいと言われた。その際もすぐに禁煙してくれたそうで、時東さんも1人で頑張らなくていいんだとうれしい気持ちになったそう。

不妊治療って、どうしても妻側のやることが多いので、旦那さん側はどこか人ごとになってしまいがち。そうすると、私ばかりが頑張っているとか、俺の気持ちにもなれとか、お互いに不満がたまって夫婦のすれ違いが起きちゃうことも。わが家の場合はそれがなかったので、楽しい不妊治療だったと言い切れるのだと思います」

 人工授精のあと、顕微授精にステップアップした時東さん。受精のために体内から採卵をしたところ、自身の採卵数や子宮に戻せる成熟卵が極端に少なかったそう。