ハイブランドの服も今の自分を素敵に見せなければ意味がない

 還暦後のオシャレは“自分のご機嫌を取るためにしてほしい”と地曳さん。

「仕事や子ども関係の人付き合いなどが少なくなる60代は、より自由に自分の好きな洋服が着られる“よい季節”だと思います。自分が心地よいと思えたり、気分がアガるファッションを選んでほしいですね」

 そのために、まず地曳さんがおすすめするのはクローゼットの整理。人生の節目に行い、これからの生き方を考えるきっかけにするのはもちろん、ホルモンの影響で気持ちがふさいでしまったときのカンフル剤としても役立つと提案する。

 では、60代を心地よく生きるための“衣替え”はどのように行えばよいのか? また“若かりしころ”にとらわれず、“今の生活”を大切にした地曳流の衣替えのコツとは?

地曳いく子流クローゼット整理6か条
□5年前のホメられ服、今も似合うと思うな
□ハンガーにかけたままでジャッジするのはNG
□「1000円出してクリーニングしてまで着たい?」と自問自答を
□「捨てるに惜しい」と思うときこそ処分しどき
□「あったら便利」はなくていいモノ
□自分の手に負える量以上の服は持たない

60代に“一生もの”なんて不要です!

 まず重要なのは、“過去のテッパン服”を今までの感謝を込めて手放すこと。5年前に「似合うね」と褒められた服だとしても、今は着る気分ではない、ピンとこないと思ったら潔く処分する。

「輝かしい思い出が詰まっている洋服かもしれませんが、今の自分をときめかせてくれるものでなければ意味がありません」

 見ただけで判断がつかない場合は、必ず試着を。“太って見える”“老けて見える”といった感覚で判断がつきやすくなる。

 体重は変わらずとも、加齢とともにバストの位置や肉付きが変化しているので、購入時のようなシルエットにはならないことが多いからだ。また、クリーニングに出してでも着たいかどうかもジャッジする際の基準に。

遊び心があり“大人にも似合う”愛用の白スニーカーはY-3のもの(写真提供/地曳いく子さん)
遊び心があり“大人にも似合う”愛用の白スニーカーはY-3のもの(写真提供/地曳いく子さん)
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