「持っているだけで気持ちが高まるという服なら、置き場に困っていなければ無理に処分しなくてもいいと思います。でも、“思い出服”が多いと、今似合う服を置く場所を圧迫してしまうので、できるだけ減らしましょう」

 先々を考えて洋服を取っておくのもナンセンス。

「“数年後でも似合うかどうか”なんて、考えても仕方ありません。気候変動で夏がどんどん暑くなり、着られる服が変わるかもしれませんし、何よりこの先の自分に似合うだろう服を今着たところで、素敵だなとは思えないはず。

 今日の自分がいいなと思える服を優先しなければ、気分を落ち込ませてしまう」

 一気に捨てるのが忍びないなら、フリマサイトなどで売って、欲しい誰かに“譲った”つもりになるのもよし。

ジムのプールには“推し”のインストラクターを目当てに楽しんで通う(写真提供/地曳いく子さん)
ジムのプールには“推し”のインストラクターを目当てに楽しんで通う(写真提供/地曳いく子さん)
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「“惜しいな”と思うときが手放しどきです。今なら数千円で売れるものが、1年後には数百円になることも。高価なアクセサリーも“一生もの”などと思わず、今の自分に合うものだけを残して売却してよいと思います。

 だって、60代の今の時点で一生ものと言っているということは、80歳や90歳まで使うということ。現実的ではないですよね」

 手持ちの洋服は1シーズンで大きなスーツケース2個分を目安に減らしていくこと。

「機会があれば着るといった“あったら便利”という程度の服もなくて大丈夫です。今は、ネットであらゆるものがすぐに入手できる時代ですから、予防策的に持っておく必要はありません。

 それに、年齢を重ねると把握できる持ち物の量に限度が出てきますから。多すぎると手に負えなくなります」

 手始めに下着や靴下から手をつけると、要・不要の選別がしやすく、整理の勢いがつくのでおすすめだ。