ユニクロもサイゼリヤも大好き。頑張りすぎない今が最高です
「60代になって、気張らず、心地よい洋服を選ぶようにしてからは、より楽しく過ごせるようになりました。それは、この年代になった自分と生活を愛し、認めることにもつながっていると感じています」
と地曳さん。この選択ができるのは時代の波も大きかったと考えている。
想像していた60代と違うからこそ楽しい
「若いころ、私のなかで60代の女性は、絽(ろ)の着物を着て、花を生けて、桟敷席でお弁当をいただきながら歌舞伎を見るというイメージでした。でも、今の時代はまったく違いますよね。
良くも悪くも、こんなにイージーでカジュアルな60代になるとは想像もしていませんでした。でも、せっかく昭和、平成、令和と3つの時代を生きているのだから、昔の常識を引きずらず、時代の流れに乗らないともったいないなと」
例えば、かつて若者のファストファッションのイメージがあったユニクロやGUも、「いいな」と思えば取り入れている。友人とサイゼリヤへ行き、グラスワインで乾杯するのも楽しみの1つだ。
「最近のヒットはDAISOで330円だったクッションファンデーション。薄づきですが、今風の仕上がりになるからデイリーにぴったりなんです。
気兼ねなく使えるのもいいなと。バブル期を過ごした20~30代の自分からは考えられないけれど、時代が変わったのだから、変わらないと」
“60代はこうあるべき”というイメージや他人の目に縛られず、今のトレンドも取り入れながらオシャレや生活を“自分軸”で楽しむこと。そこには、63歳から始めたスイミングで出会った先輩マダムたちからの学びもあった。
「63歳になってすぐ、歩けないほど腰を悪くしてしまいました。還暦を迎えるってこういうことかと落ち込んだ気持ちで、改善のためにプールに通ったら、そこには競泳水着で力強くバタフライを泳ぐ70代、80代の先輩方がたくさんいて。
服装もカジュアルで、すごくカッコよかったんです。こういう年の重ね方が素敵だと思いました」