プリンセス天功さんと。東京魔術団の団員だった 提供/ほいけんた
プリンセス天功さんと。東京魔術団の団員だった 提供/ほいけんた
【写真】マジシャン時代など貴重な“ヤングほいけんた”

僕は香港のコメディー映画やアクション映画が大好きで、もともと俳優になりたかったんです。念願かなって『劇団ひまわり』の青年部(東京俳優養成所)に入りました。武田鉄矢さん主演の『幕末青春グラフィティ Ronin 坂本竜馬』(1986年)という映画では、目立つエキストラ……“スーパーエキストラ”としていろんな役で出ているんですよ

コメディーに対するあこがれが強かった

 その縁で、児童向け劇団や、人気の劇団『スタジオライフ』に在籍した期間もあったという。

「児童向け劇団では小学校で巡回公演も行っていたので、よくバク宙をしたりして子どもを沸かせていました。スタジオライフでは影絵演者の技術を身につけました。

 でも、僕はコメディーに対するあこがれが強かったので、21歳くらいのときにコメディアンの修業をするために、大阪のストリップ劇場へ行きました。短い期間でしたが、お笑い芸人のぼん西田(西田和昭)さんや大阪のお客さんからアドバイスをいただけたのはいい経験でした

 コメディアンとして生きていくと決めた矢先、偶然の出会いが訪れる。

知り合いから、『プリンセス天功さんがミュージカルをやるから、(天功さん率いる)東京魔術団のオーディションを受けてみたら』とすすめられたんです。僕はマジックも趣味のひとつだったので、軽い気持ちで受けてみた。そしたら受かっちゃった!

 プリンセス天功さんといえば、故マイケル・ジャクソンさんとも交流を持った希代のイリュージョニストだ。「周囲はまさにお姫様扱いだったけれど、僕だけは『天功さん聞いてくださいよ~!』なんて普通に話しかけていた」と笑う。

あるとき、天功さんから『うちで餃子パーティーをするから来ない?』って誘われたんです。当時の僕は、食べるのにも困っていたから渡りに船。『これで飢え死にせずにすみます!』なんて身の上話をしていたら、帰るときたくさんの食材をいただいて。他の団員から『おまえは調子に乗りすぎだ』と何度も怒られた(笑)