痩せるどころか太る可能性が
ダイエットで激辛を食す女性は多いが、これも「間違い」と樫木さん。
「辛いものを食べると辛味成分によって消化器の粘膜が刺激され、消化液と同時に唾液の分泌量が増えるんです。結果的に食欲が増進されてしまう上に腸内の運動も活発になり、いつもより栄養分の吸収力が高くなりやすいんです」
と身体の仕組みを説明する。さらに痩せない理由として、
「チゲ鍋やカレーなどの辛い料理はカロリーの高いメニューが多い。それを身体が吸収しやすくなると……。結果はおわかりですよね」
脂肪燃焼に効果があるカプサイシンについても補足する。
「唐辛子に含まれるカプサイシンは運動と組み合わせることで初めて脂肪燃焼効果が促されるといわれています。カプサイシン自体には脂肪を燃やす働きはないんです」
食事から摂取するだけでは効果はゼロどころか、太る可能性もあるとは。ではなぜ激辛=痩せるという認識が根づいたのか。
「痩せている芸能人、古くは中森明菜さんが“タバスコ”1本を一度に使い切るという報道がされたのが最初でした。以来、島袋寛子さんが唐辛子を持ち歩くと発言したり、'00年以降は韓国ブームが巻き起こり、韓国人女優の美肌とスタイルの秘訣はキムチなどと信じられるようになります。キムチは発酵食品ですし肌にいいのは確かなのですが、適量を超えるとやはり身体に悪いです」
激辛は度を越えると美容には逆効果どころか、死を招く危険なチャレンジなのだ。